鹿児島市在住、フリーアナウンサーの山城優子です。11月24日は、「いいにほんしょく」という語呂合わせから、「和食の日」と制定されているのをご存じでしょうか?日本の伝統的な和食文化について深く考える日です。先日、手作りの玄米和食給食を提供している保育園にお邪魔しました。保育園の取り組みや園長先生の熱い思いをご紹介します。
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食と言葉で子どもたちを笑顔に!手作りの玄米和食給食を提供する幼稚園【鹿児島県】
目次
2023.11.20
栄養満点「玄米和食給食」
鹿児島県薩摩川内市にある「すくすく保育園」。園児28名の企業主導型保育園です。こちらで提供しているのが、手作りの「玄米和食給食」。生産者の顔が見える有機野菜、無農薬の合鴨玄米、天然の調味料を使い、地産地消で旬のものを取り入れています。アレルギーがある子も安心して食べられるように、肉類、卵・乳製品は使われていません。
この日のメニューは、小豆入り玄米ご飯、五目豆、さつまいも、味噌汁、もろみ納豆でした。味噌汁は出汁がきいていて、麦味噌の甘味が口の中に広がります。玄米ご飯はもちもちしていて食べ応えがありました。一緒に入っていた小豆は腎機能の働きを高めてくれ、塩こうじを入れると、玄米の消化を助ける働きがあるそうです。色合いもよく、素材のうまみや甘味が感じられてどれもおいしく、一口一口大事にいただきました。たまには自分の体を労わりながら、栄養あるものをゆっくり食べる時間も大切だなあとしみじみ思いました。
味噌汁に使う味噌は毎月、職員と子どもたちが一緒に10㎏作っているそうです。最近では子どもたちも味噌作りに慣れてきて手つきがよくなっているとのこと。自分たちで作った味噌のお味噌汁は、おいしさもひとしおでしょうね。子どもにも親にも好評の玄米和食給食。遠方からわざわざ通う方もいるほどです。
園長先生の思い
すくすく保育園園長の白川久美子さん。
白川さんが食を意識し始めたのは40代になった頃。
「生きていく中で食べ物の影響は大きい。心豊かに元気に過ごしたい」
と思われたそうです。また、ご自身が言葉によって人生が変わった経験をお持ちのことから、言葉の大切さを伝えたいと考えるようになりました。
「三つ子の魂百まで」と、思い立って始めたのが保育事業。4年の準備期間を経て、2019年7月16日にすくすく保育園開園。土地探し、申請手続き、農家さんとの契約など多くの課題をクリアし、60代で始めた新事業も来年5周年を迎えます。白川さんの行動力、意志の強さを感じます。
お手本にしているのは、福岡県の高取保育園。和食中心の献立、食育、子どもたちによる雑巾がけなどの保育内容を取り入れています。他にも、食に関する勉強会に参加したり、イベントを企画したり、得たものは生活習慣に落とし込んでいるという白川さん。保護者とも情報交換しながら子どもの将来について真剣に考えています。
「口から入れるもの(食べ物)と口から出すもの(言葉)の大切さを広く伝えたい」
という理念を掲げて積極的に活動されています。生産者さんと会って話を聞くのはもちろん、時には調味料の製造工程を確認しに行くこともあるそうです。
「こだわりじゃなくて、選んでいるのよ。」
と、ニコニコしながらお話される白川さんは、日々丁寧な食事をとることを楽しまれているようで、心も体もお元気な様子が伝わってきます。
言葉の教育
すくすく保育園では、日頃使う言葉を大事にしています。人を否定したり、馬鹿にしたり、卑下するようなマイナスな言葉は使わず、プラスの言葉を使うよう心がけています。幼少期にどんな言葉をかけられて育ったかの影響は大きいからです。
また、園では、毎朝唱和しているものがあります。西郷隆盛の座右の銘「敬天愛人」です。西郷さんの遺訓集に意味が書かれているのですが、大人でも解釈が難しい長めの文章を、子どもたちがすらすらと言います。意味はまだ分からなくても、言葉が心に残り、子どもたちが大きくなった時にその言葉が支えになると始められたそうです。空で言える子もたくさんいて驚きました。
子どもたちへの愛情がたくさん詰まった保育園。温もりのある空間で食べる手作りの玄米和食給食は心にしみました。和食の大切さ、自然の恵みに感謝する気持ち、日本人の和の心などいろんなことを考えさせられました。今後の食生活に生かしていきたいです。
元NHK鹿児島放送局キャスター。まち歩き、歴史好きが高じて鹿児島の観光ガイド「薩摩こんしぇるじゅ。」を務めたことも。特技のラッピングはコーディネーターの資格を持ち、どんなものでも高見えおしゃれに変身させちゃいます!得意の婚礼司会をはじめ、子どもプレゼン教室、コミュニケーション講座講師、イベントMCなど幅広く活動。誠を尽くして取り組みます!