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お茶の知識や技能を競う「T-1グランプリ」開催【鹿児島県】

目次

 鹿児島県在住のフリーアナウンサー山城優子です。皆さん、日本茶はお好きですか?最近ではペットボトルやティーバッグのお茶も増えてきて、気軽に飲めるようになりました。我が家では子どもの頃から食後にお茶を飲む習慣があり、今でも急須で淹れたお茶が大好きです。特に寒くなってきたこの時期に飲むと心も体も温まり、ほっとしますよね。
 先日、親子でお茶に親しめるイベントが開かれ、司会として参加しました。競技の内容や大会の模様をお伝えします。

T-1グランプリとは

 お茶の知識や技能を競う「第12回T-1グランプリ2023鹿児島大会」が、鹿児島市で開かれました。鹿児島県は、全国第2位のお茶の産地です。子どものうちから日本茶に親しみ、親子でお茶の知識を深め、かごしま茶を身近に感じてもらうねらいがあります。
 対象は、小学3年生から6年生。今回は80人近くの小学生が参加しました。T-1グランプリは、宮崎県の若手茶業者さんが考案され、2007年から始まりました。現在では全国の茶産地で開かれています。

お茶の種類当てや淹れ方で競う「茶レンジャー」

 参加選手は「茶レンジャー」と呼ばれ、3つの部門(茶レンジ)で競います。
 茶レンジ1は、〇×クイズ。お茶の歴史や効能など30問出題され、茶レンジャーたちは事前に配られたテキストを勉強して挑みます。制限時間は10分でしたが、ほとんどの子が5分ほどで解き終え、何度も見直していました。
 茶レンジ2は、お茶の種類当て競技。制限時間5分内でトレイに入った茶葉を見て、触って、匂いをかいで8種類のお茶を当てます。茶葉を見つめる表情は真剣そのもの。茶葉を手の平に乗せて形状を確かめたり、鼻に近づけて香りを確認したり。時にはトレイの前を行ったり来たりして迷った表情を浮かべる茶レンジャーもいました。
 茶レンジ3は、お茶の淹れ方競技。目の前に座っている審査員の前で、持参した急須を使って二人分のお茶を淹れます。一杯は審査員に飲んでもらい、もう一杯は自分用です。制限時間は8分。一つ一つの工程を慎重にこなしていく子どもたち。お茶が抽出されるのを待つ時間は会場全体がシーンとなり、1分がとても長く感じられました。緊張して急須を持つ手が震えている子もいて、私は親目線になりながら、心の中で「頑張れ!」とエールを送っていました。手首のスナップをきかせて、最後の一滴まで淹れている姿が職人のようで、輝いて見えました。
 参加者の中には、
「おばあちゃんがお茶好きでよく一緒に飲んでいたので、お茶に興味があり参加しました。おばあちゃんが使っていた急須を持ってきました。」
という子もいました。年季の入った味のある急須に、好みの色や柄が入ったもの、シンプルなものなど、千差万別の急須を眺める楽しみもありました。

T-1博士に輝いたのは小学3年生!

 茶レンジャーも司会もドキドキしながら迎えた表彰式。見事優勝したのは、鹿児島市立和田小学校3年生の豊留旭(とよどめ・あさひ)さん。お名前を発表した瞬間、とても驚いた表情で前に出て来てくれました。優勝者には賞状、副賞、新米、鹿児島県知事賞が贈られ、T-1博士の称号が認定されました。喜びの声をインタビューした際、
「信じられない!」
と目を丸くしながら答えてくれた旭さん。この日のためにお友達と遊ぶのを我慢し、夜遅くまで勉強したんだそうです。分からないことは近くのお茶屋さんに聞きにいき、お茶の淹れ方もその場で教えてもらったんだとか。大会までのおよそ3か月間で21か所のお茶屋さんを回って知識を深めたというので驚きです!子どもに寄り添って、一緒にお茶の勉強を楽しんでいらっしゃったお父様も素敵でした。ちなみに旭さんは、お茶を意識して、シャツ、靴下は緑で参加されました。気合が感じられます。

司会者として

 開会1時間ほど前から会場入りし、始まるまでテキストで勉強している子が多く、まるで受験会場。私も学生時代を思い出しました。なんとか緊張をほぐしてあげたいと思い、開会式ではみんなで大きな声を出すことにしました。私が
「エイエイ茶―!!」
と拳を高く上げて促すと、みんな恥ずかしがりながらもやってくれました。少し滑ったような空気になりましたが、小さな笑いが起き、
「緊張がほぐれた」
と言ってくれた子が何人もいて嬉しかったです。
 また、大会中はなるべく柔らかい表現や口調で話しかけ、子どもたちが安心して競技に取り組めるよう心がけました。真剣な眼差しで一生懸命に頑張る姿に胸が熱くなりました。今回入賞した子もそうでない子も、今まで学んだ知識や技術を生かして、これからもお茶を楽しんでほしいと思います。

アナウンサー紹介

元NHK鹿児島放送局キャスター。まち歩き、歴史好きが高じて鹿児島の観光ガイド「薩摩こんしぇるじゅ。」を務めたことも。特技のラッピングはコーディネーターの資格を持ち、どんなものでも高見えおしゃれに変身させちゃいます!得意の婚礼司会をはじめ、子どもプレゼン教室、コミュニケーション講座講師、イベントMCなど幅広く活動。誠を尽くして取り組みます!