2020.04.12
栃木県の伝統食「しもつかれ」
元・西日本放送&テレビ愛知アナウンサーの菊池優です。
栃木県出身で「とちぎ未来大使」や「栃木市ふるさと大使」を務めています。
現在は名古屋在住で、東海地方を中心にフリーアナウンサーをしています!
今回は、栃木県の郷土食「しもつかれ」についてご紹介します。
しもつかれは、初午の日(2月最初の午の日)に作る行事食とされています。
ざっくり言うと、お正月に食べる塩鮭の頭や骨を取っておいて節分の節分豆(大豆)や大根などを使って作る酒粕味の保存食と栄養食として優秀な食べ物です。
こう言うととても気になると思いますが、実は…
見た目に難のある郷土食とも言われているんです。
郷土食なので、学校給食にも出るのですが…
小学校ではお残し率の高いこと高いこと!
また、各家での味付けもあるので、
学校給食の味が馴染まない人もいるのかもしれませんね。
しもつかれの由来と作り方
「しもつかれ」の名前の由来はいくつかあるようです。
栃木県の旧名「下野(しもつけ)」から名付けられた説や、
煎った大豆に酢を入れて作る「酢漬かり」がなまった説、
しもつかれに酢を入れるので
「すみつかり」から変化して「しもつかれ」となった説など様々な説があります。
少し詳しくしもつかれの作り方を見ていきましょう。
まずはお正月の残りの塩鮭の頭や骨を柔らかく煮ます。
お正月の残りが無くても、2月の初午の時期には
栃木県内のスーパーでは鮭のアラだけで売っているので大丈夫!
そこに節分の残りの大豆や鬼おろしですりおろした粗めの大根、
にんじん、油揚げなどをいれて煮込みます。
大豆が柔らかくなったら酢と酒粕を加えてさらに煮ます。
塩で味を調えたら完成です!
大豆が柔らかくなるまで、焦げないようにかき混ぜながら煮るので
けっこう時間がかかります。
というわけで、
今年のしもつかれは栃木市にある「かねふくストア」の手作り惣菜を購入してみました。
家で作る味に近く、大根にしっかりと味がしみていてとても美味しかったです。
栄養満点ですよ!
長年作ってくれていた祖母も美味しいと太鼓判でした。
無病息災を願って食べるもので、今年も食べることができて良かったです。
材料も栃木じゃないと、なかなかそろわなかったりしますもんね。
(もちろん代用品で作ることも可能ですよ!)
イタリアの伝統菓子×しもつかれのコラボ!?
今年、そんな「しもつかれ」を
現代風にアレンジして楽しもうという取り組みが行われました。
郷土食のしもつかれを手軽にオシャレに幅広い世代に楽しんでもらおうと、
栃木県内の様々なお店が参加しました。
その中で私が購入したのは「しもつかれビスコッティ」です!
ビスコッティはイタリアの伝統的焼き菓子で、2度焼きした硬いビスケット。
コーヒーやワインにひたして食べたりもするそうです。
そんなビスコッティとしもつかれのコラボレーション!?
そのまま食べてみると、確かに硬いです。
ですが、口の中の水分で柔らかくなると確かにしもつかれの味がする!
ほんのり酒粕の味がするのと、大豆の触感がまさにしもつかれ。
こんなにオシャレな食べ物にもなれるなんて驚きです!
しもつかれには無限の可能性がありそうです!
栃木県の郷土食なのに、若い世代には敬遠されがちな「しもつかれ」。
栄養満点で食べ物を大切に食べきるという文化も学ぶことができます。
直球で勝負するのではなく、まずはアレンジされたものから親しむことで、
最終的にはしもつかれも食べてもらえるようになると良いなと思います。
今回初めてしもつかれを知った皆さん!
栃木県内のスーパーではお惣菜で売っている所もあるので、
訪れた際は一度試してみてはいかがでしょうか?