2021.04.29
こんにちは。山口県出身・山口県在住のフリーアナウンサー、池田モトです。NHK山口放送局でもキャスター・リポーターを務めていた私が、大好きな山口県の魅力をお伝えしています。
今回は、大正時代にお相撲さんが始めた「玉椿旅館」についての後編です。
前編はこちらからご覧ください。
オンラインショップ「角力鳥花(スモトリバナ)」で新たな繋がりを
山口県下関市の川棚温泉にある「玉椿旅館」。2021年4月、新たにオンラインショップ「角力鳥花(スモトリバナ)」がスタートしました。きっかけは、若女将の優子さんがお客さんへの年賀状のために彫った「おすもうさんの消しゴムハンコ」でした。
優子さんは、このハンコの「おすもうさん」を名刺に刷ったり、SNSのアイコンにしたり、相撲好きのお客さまには、天ぷら紙に忍ばせる千代紙を「おすもうさん」に変えたりと、お客様とのコミュニケーションツールとして大切にしてきました。
優子さんはSNS上で、相撲好きの方々との交流を通して
「来館を通したサービスだけでなく、何か違った形でもお客様と交流できるようにしたい、提供できる何かをつくりたい」
と思うようになり、「おすもうさん」がメインコンテンツのオンラインショップに辿り着きました。
ショップの名前「角力鳥花(スモトリバナ)」は、スミレの異名である「相撲取花」から。相撲に関する言葉であること、そして「野あそびのように『工夫によるもので、純朴な』ものづくりを目指したい」との思いからこの名前に決め、イメージに合わせて漢字を充て変えたそうです。
旅館の営業とは全く異なる分野ですが、優子さんは、楽しみが大きいといいます。
「商品を通してたくさんの方との接点ができたらどんな広がりが生まれるだろうと、わくわくしています。そして、商品をつくること自体がとても楽しくて大きな発見です。」
「おすもうさん」がとっても愛らしく、優子さんのセンスが光る商品たち。種類も少しずつ増やしていく予定だということです。
創業100年へ 時代に合わせ変化する「玉椿旅館」
行動力と豊富なアイデアを持ち合わせる優子さんを中心に、新たな挑戦を続ける「玉椿旅館」。2023年には創業100年を迎えます。大きな節目を前にした気持ちを優子さんに尋ねると
「100年経ってまた初心からはじめようという気持ちの方が大きいです。勉強を欠かさず、ご縁を大切にして、感謝の気持ちを忘れずに。いろんなことを日々見直して取り組んでいけたら。」
と、老舗だからとおごることのない謙虚な答えが返ってきました。
「玉椿旅館」は去年の営繕工事のタイミングで、「どんな時代にあっても、みなさんにとって良い非日常を提供できる場所」を目指し、「よりよい日常のための、非日常」という理念を新たに設定しました。
例えばこのコロナ禍においては、日常生活で何かと我慢やストレスが増えている中、訪れる方には「のんびり」と、「大切な人と大切な時間」を過ごしてほしいと、時代に合わせてサービスを組み立てています。
「日常が変われば、非日常も変わっていくので、その時々で柔軟に対応していきたい。玉椿旅館としてできる『いいこと』を日々トライし続け、ただの泊まれる場所ではなく、何かの折にはみなさんに思いを寄せていただける場所でありたいです。」
今後も叶えていきたい夢が沢山あるという優子さん。これからも「玉椿旅館」の挑戦は続きます。
最後に
前編・後編に渡ってお伝えしてきた「玉椿旅館」、いかがだったでしょうか。山口県にお越しの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
【玉椿旅館】公式サイト
オンラインショップ【角力鳥花(スモトリバナ)】