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23年前の誓い~神戸の復興をケーキに託す~

今回は「兵庫県のある名産物」と「神戸スイーツ」のコラボレーションを手掛ける方と、そのスイーツを紹介します。

お店は、神戸の繁華街JR三宮駅から電車で7分ほどのJR住吉駅付近にある

「Cassalade(カッサレード)」チーズケーキ専門店です。ショーケースの中には、カマンベールチーズ、ブルーチーズなどチーズの種類も、レア、ティラミス、ベイクド、スフレなど調理方法もさまざま。

その中でも、ひときわ目を引いたのが、「灘の酒」を使ったチーズケーキです。

■きっかけは「ひがしなだスイーツめぐり」

お店のある神戸市東灘区は、洋菓子店の密集地域。

43店もの店を観光バスで巡るという東灘区主催のスタンプラリー「ひがしなだスイーツめぐり」が毎年10月中旬から一か月間行われています。

東灘区から「イベントで、地元の食材を使った洋菓子を」と言われ、かねてから「灘の酒」と使ったチーズケーキを作りたいと思っていたシェフの大西秀輝さん(42)は、「背中を押された気持ちで製作に取り組めた。」と言います。

 

2014年に初めて手掛けたのは、

高温で焼くことで水分を飛ばした筒型の「ロックチーズケーキ」

2015年は「レアチーズケーキ」

2016年は手作りの枡に入った「ティラミス」

2017年は「ベイクドチーズケーキ」

と作品が続きます。

 

■福寿とのコラボレーションまでの軌跡

「灘の酒を使った作品を作る」と決めてまず始めたのは酒蔵巡り。それぞれの蔵の道具、作り方、ポリシー、味の特徴を見て知り、テイスティングでそれぞれの酒の味わいを知ることで、酒蔵のもつ世界観を大切にしたチーズケーキを作ろうとヒントを得ました。

その中で選んだ銘柄は、料理を引き立て、飽きずにいくらでも飲めるのが魅力の福寿の純米吟醸。香り豊かでフルーティーな味わい、チーズや生クリームとの相性が合うのが特徴です。

酒蔵へ向かい、店主に説明し頼み、快くコラボレーションを承諾してもらいました。製作にかかった期間はそれぞれ2か月から半年にも及びます。

苦労したのは日本酒の量の加減。日本酒好きな人からすると物足りない、日本酒が全く飲めない人からすると刺激が強すぎる・・・など、思考錯誤の結果、酒蔵の人達にも試食してもらい、最終的には「30代から50代の日本酒を嗜む程度に好む女性」をターゲットにした作品に仕上がりました。

 

■チーズと日本酒の相性とは!?

チーズと日本酒はどちらも熟成した発酵食品同士、味が馴染みやすく、すんなりと作品へと結びつきました。日本酒のアルコール成分が美味しさを保っているので5日間も日持ちします。

この日いただいたのは、レアチーズケーキとベイクドチーズケーキ。

 

猪口の中に入ったレアチーズケーキ。一口食べた瞬間、フワッと日本酒の香りが口の中に広がります。まるでお酒そのものをいただいているようです。

レアチーズ主体の生地だけで作られているので、ムースのように柔らかいのが特徴です。

ベイクドチーズケーキは、酒粕の渋みを感じるシックな味わい。とてもしっとりしていました。

「ひがしなだスイーツめぐり」アンケートによる人気ランキングでは、

平成25.27.28年度で見事一位獲得!

どちらも日本酒とチーズが好きな人には嬉しいケーキです。

 

■「23年前に誓った神戸の復興」

イベントに参加したお店の中には他にも灘の酒を使った洋菓子を提供しているお店、期間限定で提供しているお店もありますが、大西さんは毎年、灘の酒を使った新たなメニューを考案しています。

「チーズケーキを通じて個性豊かな酒蔵を、そして地元神戸の灘の酒をPRしたい」

実は大西さんは23年前、19歳の時に阪神淡路大震災を経験しました。

特に壊滅的な被害を受けた東灘区の情景を目の当たりにし

「地元に残って、ケーキを通じて神戸を盛り上げたい!」

意を強くしました。

大西さんを動かす原動力の根底には震災の時に強く感じた地元への熱い思いがありました。

大西さんは、地元への思いをチーズケーキというスイーツを通じて表現していたのです。

 

これからは、他の酒蔵にもアプローチし、それぞれの酒蔵の特色を生かしたケーキを手掛けて灘の酒のPR活動に力を注ぎます。

 

今年の「ひがしなだスイーツめぐり」ではどんな作品が店頭に並ぶのでしょうか?多くのファンの人達が今から心待ちにしています。

 

松本 有加 
 松本 有加