2024.09.17
鹿児島市在住、フリーアナウンサーの山城優子です。
先日、鹿児島市で都市の課題や解決策について話し合う「アジア太平洋都市サミット」が開かれました。鹿児島での開催は初めてです。
私は司会として参加しました。
各都市の取り組みや歓送迎レセプションの様子についてお伝えします。
アジア太平洋都市サミット“CONNECT”つながるがキーワード!鹿児島市で開催
「アジア太平洋都市サミット」は、1994年に始まり今年で30年目です。アジア太平洋地域の都市のリーダーが集い、地域の課題や解決策について意見をかわします。
対面で行われるのは6年ぶりで、鹿児島市での開催は初めて。14回目となる今回は9か国24都市が参加しました。
「CONNECT」つながるをキーワードに、各自治体が取り組みを発表し、議論しました。会議は、日本語、英語、中国語、韓国語で同時通訳され、通訳レシーバーを介して各都市の取り組みをリアルタイムで聞くことができます。また、会場で使用される電気をCO2が排出されない再生可能エネルギーに置き換えて実施するなど、環境にも配慮した会議でした。
アバターで授業に参加できる?!鹿児島市の小中学校の取り組みも紹介
各都市の発表は3つのサブテーマに基づいて行われました。
「将来の人口変動を見据えたウェルビーイングなまちづくり」、「人中心のイノベーションを活用したまちづくり」、「気候変動時代に適応するレジリエントなまちづくり」です。
例えば、鹿児島市の小中学校では紙の宿題がデジタルになり、教員の業務縮減につながり子どもたちと向き合う時間がとれるようになったことや、学校に行けない児童や生徒を対象に、アバターで授業に参加できるメタバースの導入で学習支援を進めていることなど、ICTを活用して教育格差をなくし、子育て世代に選ばれるまちづくりについての取り組みを紹介していました。
また、韓国の釜山広域市では、「15分シティ釜山」というまちづくりが行われています。徒歩、自転車などを活用して自宅から15分圏内に生活の必須機能を持たせたもの。高齢社会や人口減少に対し、15分以内で高齢者向けのサービスが受けられるようにしたり、都市の所々に公園を作って市民がどこでも利用できるようにしたりしてクリーンスマートシティを目指しているとのことです。
最近では、日本に暮らす外国人も増えてきたので、九州では多くの都市で海外の人でも分かりやすい日本語を使ったり、それぞれの国の言葉で情報発信したりする工夫がなされています。外国人と共生する中で、多言語での情報発信はコミュニケーションにおいて大事なのです。
全17の取り組みが発表されましたが、どれも興味深く、共通の課題を抱える都市同士で意見を交換し、情報共有できるのはとても貴重だと感じました。
次回は2026年福岡で開催予定!鹿児島市からのおもてなしとは?
サミットの前後には、レセプションが開催されました。
鹿児島市からのおもてなしとして、桜島火の島太鼓保存会による演奏や、鹿児島女子短期大学の学生を中心とした踊り連によるおはら節、世界的な庭園デザイナー石原和幸さんによるフラワーパフォーマンスが披露され、会場は大盛り上がりでした。
お料理も鹿児島の食材がふんだんに使われていて、鹿児島自慢の焼酎も提供されました。和食のコース料理を皆さん残さずきれいに召し上がっていたのが印象的です。時間が経つにつれて参加者同士打ち解け会話も弾み、会場はたくさんの笑顔であふれていました。各都市のお土産を交換したり、一緒に写真を撮ったり、国境を越えて食事や会話を楽しめるのは対面開催の良さでもあります。今回加盟した都市もあり、新しい交流や繋がりも生まれました。
次回は2026年福岡で開催予定です。
第14回アジア太平洋都市サミット ー鹿児島市ー (apcs2024-kagoshima.com)