消しゴムはんこやイラストで発信！勝手に宮崎盛り上げ隊【宮崎県】

皆さん、こんにちは。元NHK長崎放送局、サガテレビアナウンサーの牛島奈津子です。今は、宮崎のラジオ局から地域の旬の情報などを発信しています。
宮崎を盛り上げたい、たくさんの人に知ってもらいたい、と消しゴムやイラストなどを通じて発信し続ける消しゴムはんこ作家・酒井美千代さん。初めて開かれた個展へお邪魔してきました。酒井さんの熱い想いをお届けします。

　消しゴムで作られたはんこ、1度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。身近にある消しゴムで、誰でも簡単に作ることができます。しかし、毎日作り続けるのは難しいですよね。宮崎で活動する消しゴムはんこ作家の酒井美千代さんは、毎日1日も欠かすことなく、8年間、消しゴムを彫り続けいています。今年で9年目。旅行などの時には、事前に掘り溜めをしておくという徹底ぶりです。今では、約3000個、3000種類もの消しゴムはんこが家に保管されています。
そんな酒井さんの初めての個展が開かれ、先日、お邪魔してきました。コロナ禍の中、たくさんの人たちを元気づけようと制作した今年のカレンダーは、記念日にちなんだものや、その日が誕生日の有名人の似顔絵などで作られていました。
消しゴムはんこに魅せられたきっかけは、友達がやっているのを見て、自分もやってみたのがスタートでした。初めはとても下手で、そのままの仕上がりをSNSにアップしていたところ、アップしない日が続くと
「どうしてやめるの？」
という反響があり、
「これを次に彫ってほしい。」
などと依頼も来るようになり、毎日彫らないといけない状況になりました。しかし、それが苦ではなく、1時間から2時間かけて毎日彫るのが日課となったそうです。

　消しゴムはんこの作り方を教えたり、バッグや扇子などにはんこを押して、オリジナルのグッズを作ったりするイベントやワークショップも県内で展開しています。また、西都市にある宮崎県立西都原考古博物館には、酒井さんが作った、宮崎ならではの埴輪や古墳のガチャガチャが設置されています。博物館へ行けば、歴史を学びながら、消しゴムはんこを手に入れることもできます。特にこどもたちに大人気！我が家も博物館へ行くと、買ってほしいと、いつもこどもたちからおねだりされます。
また、イラストも描く酒井さん、宮崎の観光地や食べ物をテーマにしたイラストで、宮崎を盛り上げようと、カレンダーやTシャツ、布巾、バッグなどのデザインも手掛けています。酒井さんのイラストは、温かみがあって独特の世界観がある、誰にも真似できない個性が光ります。

　酒井さんは10年ほど前から、友達と部活のような感覚で、自分たち目線で見つけた『宮崎の面白い場所』をフェイスブックで発信していたところ、
「そんな所があるの？」
と、近くに住んでいても意外と知らない人が多く、驚いたと言います。こういうやり方で楽しむのが面白い、と楽しみ方も一緒に提案していました。
「今度はどこに行くの？」
などと、反響が大きく、“勝手に宮崎盛り上げ隊”を3年前に立ち上げました。メンバーは10数人。自分たちが動くことで、何かにつながる、人と人もつながっていくといいなという思いで活動してきました。学生に盛り上げ隊の活動について教えたり、宮崎のグッズ作りを依頼されたりすることも出てきました。宮崎が盛り上がるためには、行動力が鍵だと酒井さんは話します。
宮崎で生まれ育った酒井さんは、もともと旅をすることが大好き。県外や海外へばかり出かけていました。しかし、コロナをきっかけに、地元に目を向けるようになり、初めて深く知ることが多かったそうです。有名どころはインターネットやガイドブックに載っているので、誰も知らないような『マニアックなスポット』や『B級観光地』、例えば、小林市の陰陽石や高鍋町にある高鍋大師など、知らないのはもったいない、興味深い場所や物がまだまだあるんです。今後もSNSやイベントなどで、宮崎を盛り上げていきたいということです。

　今では1日30分、2本の彫刻刀を操り消しゴムはんこを彫っています。綺麗な整った顔の方が難しく、特徴のある人が彫りやすいんだそうです。一番面白いのは、出来上がったはんこを押す瞬間。押すと反転するので、思っていたものと違うこともあるんだそう。そういった時は、微調整。線の太さや、人の顔の場合はほうれい線の具合まで、細かく手直しを行います。こうして、１つ１つ丁寧に仕上げていくんです。
「これからもたくさんの人たちに消しゴムはんこ作りを教えて、SNSも利用しながら宮崎を盛り上げていきたい、発信していきたい。」
と話す酒井さん。今後の活動にも注目です！