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山形の秋の風物詩「芋煮会」っていったい何?

長野県出身、フリーアナウンサーの塩原桜(しおばら・よしの)です。

学生時代は東京で過ごし、前任地は山形、現在働く埼玉や夫の実家である神奈川など様々な土地に縁があります。

各地の良いところ、おもしろい場所、おいしい物など、どんどん紹介していきます!

秋が深まり、いつもよりもご飯がおいしく感じる今日この頃。
皆さんは「秋の味覚」といえば何を思い浮かべますか?

きのこやフルーツ、さんまなど、おいしいものを上げたらきりがないですよね。
実は、山形県にも、秋になると食べたくなるもの・したくなることがあるんです。

きょうは
山形県の秋の風物詩「芋煮」についてご紹介します。

 

■「芋煮会」とは?

秋なると、土日を中心に、河川敷など屋外に人が集まっている様子が見られます。

よく見ると、川沿いに間隔をあけて、石が詰まれ、お手製のかまどが作られます。

グループで集まって何かを煮込んでいるようですが……
どの鍋からもおいしそうな湯気が立ち上り、楽しそうな声が聞こえてきます。

そう、これこそが、サトイモを使った「芋煮」と呼ばれる鍋料理を作って食べる
行事で、山形の秋の風物詩なんです。

親戚で集まって、会社の飲み会で、大学のサークルで、古くからの友人同士で……など
まるで、春のお花見や夏のバーベキューのように芋煮会をしているんです。

山形をはじめ、東北地方では一般的に行われる季節行事だそうですが…
長野県出身の私は驚きの光景でした。

こんな感じでゴザを広げてみんなでわいわい。

秋が来ると地元のスーパーなどでは材料をセットで売る

芋煮会セットなるものが販売され、大型の鍋やゴザ、鉄板、網など芋煮会に必要な器具の貸し出しも無料。県内が芋煮シーズンに向けて色めき立ちます。

学校行事で行うところもあるそうです。

 

 

■芋煮ってどんな味?

山形市に住んでいた私は「芋煮?牛肉のしょうゆ味のやつか……」なんて、軽率に口走りそうになりますが、実は「芋煮」と一口に言ってもバリエーションが豊富。

山形県内だけでも大きく分けて

内陸風:牛肉・しょうゆ味

庄内風:豚肉・みそ味

の二種類があり、そのほかにも近年出てきた「塩味」アレンジなど、河川敷で集まっている人たちの鍋をのぞくと、地域差や、芋煮のトレンドを感じることができます。
私が住んでいたのは山形県の内陸部なので、牛肉しょうゆ味が定番でした!

シーズンで最も早い芋煮会や、イベントで振舞われるものなど、秋になると何度も食べる機会があるので、山形県内では秋の味として定着しています。

 

■日本一の芋煮会フェスティバル

家で食べるのもいいですが、やっぱり外で食べるのが一番おいしいのが芋煮。

年に一度全国から観光客が訪れる芋煮イベントがあります。
それが「日本一の芋煮会フェスティバル」です。

1989年から秋の一大イベントとして開催されている日本一の芋煮会フェスティバル。

山形の秋の芋煮会文化を全国に発信するために「直径6mの大鍋」をつくり、
里芋3トン、牛肉1.2トン、こんにゃく3,500枚、ねぎ3,500本、
味付け醤油700リットル、隠し味に日本酒50升、砂糖200kg、
山形の水6トンを入れ、6トンの薪(ナラ材)で煮炊きするというもの。

使われる里芋は山形市内の芋煮ファームで、生産者の方と山形商工会議所青年部のメンバーの皆さんが定植から収穫まで愛情をこめて栽培したもの、牛肉は、「黒毛和種」の山形牛

そのほか山形市内の農家の畑で栽培された長ねぎなど、地元の食材をふんだんに使っています。

ということで、おいしさもスケールも日本一の芋煮会なんです。

 

■イベントの主役!ギネスにも登録された「鍋太郎」

1988年、山形鋳物の技術を集めてつくられた大鍋「初代鍋太郎」
第1回フェスティバルから第3回まで活躍しましたが、
5.6mの大きさにもかかわらず来場者の増加で容量不足により使用を断念しました。

1992年には、6mの大鍋「二代目鍋太郎」が誕生。
第4回から2017年まで長年使用されてきました。

そしてことし2018年、
新たにお見えした日本一の大鍋「三代目鍋太郎」
直径6.5メートルで、3万食分の芋煮を1万2695人に振舞い、8時間で最も多く提供されたスープとして「ギネス世界記録」に認定もされています。

ちなみに初代鍋太郎は現在は芋煮会場として親しまれる馬見ヶ崎川の唐松観音近くに、モニュメントとして展示してあります。

 

■重機で調理?!日本一の芋煮会

6mもの大鍋での調理はいったいどのように行っているのか、気になるところですよね……?

これだけの大鍋ですから、通常の調理器具では、なかなかうまくいきません。
そこで毎年活躍しているのが、バックホーです。


え?工事用の重機で調理??と驚く方も多いと思います。

もちろん皆さんが食べるものの調理ですので、衛生面にもとっても気を遣っています。

使用されるバックホーは
・生産されてから一度も作業をしていない新車
・可動部分の潤滑油は全て洗い落とし、かわりにマーガリン、バター等を使用
・バケット部はオールステンレス製の芋煮専用バケットを装備
という芋煮仕様のものなんです。

普段はなかなか見ることができない、熟練の運転手の皆さんの巧みな操縦による調理風景もイベントの見どころの一つです。

会場内では、このほか鍋太郎以外の鍋で庄内風や塩味など、様々な芋煮鍋もふるまわれます。

予約できる屋根付きの席もありますので、お年寄りやお子様連れの方も安心ですね。

今年はすでに終わってしまいましたが、ここ数年は毎年、敬老の日の前日に開催されています。

3連休の中日なので遠くから来る方も多く、全国ニュースでも取り上げられることが多いイベントです。

ぜひ一度足を運んでみてください!

 

■芋煮の作り方

家庭でもよく食べられている山形の芋煮。
ここで、しょうゆ味の芋煮の作り方を見ていきましょう

材料は
里芋、牛肉、こんにゃく、長ねぎ、しめじやまいたけなどのきのこ

そして、味付けは
しょう油、砂糖、酒 のみ。

①里芋は一口大切る
こんにゃくは一口大に手でちぎる(包丁で切るより味が染みやすいです)
きのこは小さく分けて、ねぎは斜め切り、牛肉は5センチくらいに切っておく
②鍋に里芋とこんにゃくを入れて沸騰させる
1~2分茹でたら一度お湯を捨てる
③鍋に水と調味料を入れ里芋がやわらかくなるまで煮る
きのこと牛肉を入れ、あくを取りながら煮込む
味が染みたかな~とおもったら最後にねぎをいれる

これで完成です^^
たったこれだけの手順でおいしく出来上がります。

基本的に目分量で作るんですが、
里芋500グラム、牛肉400グラム、で4人前くらいのイメージ。
この時しょうゆ:酒:砂糖は3:2:1で合わせていくとおいしく仕上がります。(個人の感想です)
調味料は後から足しても大丈夫なのでお好みの味を見つけてください♪

そして、芋煮を食べ終わった後、シンプルにうどんでシメる……という方も多いのですが、芋煮カレーの人気も年々高まっています!

芋煮鍋の中に、市販のカレールウを入れるだけ。
そこにうどんを入れて「芋煮カレーうどん」にするという方もいます。

和風の味付けに里芋のカレー。
お蕎麦屋さんのカレーのような、家庭の味とは一味違うものに仕上がります。

芋煮でおなかいっぱい!なんて思っていても、するする入っていくので不思議です。

山形の文化芋煮会。

東京都内など山形料理を出している飲食店などでも食べられる芋煮ですが、ぜひ一度、秋の河川敷で楽しんでみてください。

 

 

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塩原桜 
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