2020.03.18
鴻巣市ってどんな場所?
長野県出身、フリーアナウンサーの塩原桜(しおばら・よしの)です。
学生時代は東京で過ごし、
前任地は山形、現在働く埼玉や夫の地元である神奈川など
様々な土地に縁があります。
各地の良いところ、おもしろい場所、おいしい物など、どんどん紹介していきます!
今回は埼玉県鴻巣市で年2回開催される街ぐるみのユニークな取り組みです★
人口およそ11万8000人。
埼玉県のほぼ中央に位置し、
市南西部には秩父山地を源流とする荒川が流れる鴻巣市。
関東ローム層や荒川沖積層からなる肥沃な土地は気候に恵まれ、
花弁や果樹の栽培に適していることから「花のまち」とも呼ばれています。
また、江戸時代には旧中山道の宿場町として栄え380年以上の歴史を誇る
「ひな人形のまち」でもあります。
東京駅や上野駅からもJR高崎線・上野東京ラインで1時間以内という
地理的条件の良さから、東京のベッドタウンとして、
県央地域の中核都市として、発展しています。
駅前を中心に飲食店やショッピングモール、神社などの施設があり、
地域のお祭りなどにも地元の人が訪れるイベントもあります。
コスプレ×まちおこし
そんな利便性の高い地域に位置しながら、市内に運転免許センターがあることから、
ほかの大型の施設などがないことを揶揄して
「免許センターしかない」といわれることもしばしば……。
そんな鴻巣市を「花のまち」「ひな人形のまち」として以外にも知ってほしい、
街自体にも足を運び、もっと街の良さを知ってほしいと考えたのが
実行委員長で鴻巣市在住の菅又春香さんです。
菅又さんは、2012年夫の転勤がきっかけで、
当時小学2年生だった息子とともに鴻巣市に引っ越してきました。
はじめはそれまで住んでいた札幌との差に驚きましたが、
子どもにとって「ふるさと」になる鴻巣市を
今よりももっと魅力ある場所にしたいと立ち上がりました。
イベントを通して鴻巣の良さを知ってもらいたいと、菅又さんは、
「今のままの鴻巣の街並みに手を加えず、多くの人に来てもらえばいい」と考え、
試行錯誤の中思いついたのがコスプレイベントでした。
町全体に協力してもらうため市内を駆け回った菅又さん。
はじめは「この街にコスプレイベントなんていらない」という強い意見もありましたが、
徐々に協力してくれる市民の方が集まり、
2017年、第1回「仮染街」の開催が実現しました。
まち歩き型コスプレイベント「仮染街」
コスプレイヤーにとってうれしいポイント!
コスプレイヤーにとってうれしいポイント!
私が推したいポイントはスタッフの皆さんのホスピタリティーです。
回を重ねながらコスプレイヤーのみなさんが必要なものを考え、
更衣室のアメニティや移動中に使えるアイテムを設置しているとのこと。
例えばこちらの撮影可・不可がわかるカード。
街歩きをしていると無断で撮影する人もいるとは思いますが、
通行している見知らぬ人を急に撮影することがないのと同じように、
コスプレイヤーであっても声掛けが必要であったり、撮影されたくない人がいたり、
ということを一般の人にも周知してくれるものです。
また、店内にコスプレ以外で覆面で入る人との区別をするためのものも
用意されています。
更衣室には持ってきた衣装がしわになってしまった際に使える
アイロンやヘアスプレー、制汗剤などが用意されています。
(私だけかもしれませんが、)
衣装やウィッグ、パーツなどもちこむものが多いコスプレイヤーは、
うっかりの忘れ物も多いもの……これはうれしい気遣いです。
まちの反応と参加者の声
毎回実施しているアンケート調査では、
「鴻巣市の魅力を知ることができた」「楽しかった」「次回も絶対参加する」など
好意的な声ばかり。参加者も年々増えているそうです。
実行委員会によると参加者の9割は鴻巣市街から、
全体の6割は県外からの参加だということで、
仮染街を通じて初めて鴻巣市に訪れる人も多いそうです。
秋の開催日は地域のお祭りに合わせて実施していることもあり、
地域の人との交流や小さい子から嬉しそうに声をかけられるなど、
街の人たちとの交流も生まれています。
中には当日市内に来ていた献血カーで献血するコスプレイヤーもいるなど、
社会貢献にも協力しています。
はじめは快く思っていなかった一部の市内の人も回を重ねるごとに協力的になり、
開店前に会場として店舗を貸し出してくれる飲食店なども出てきました。
運営側のノウハウも徐々に増え、どんどん良いイベントに進化しているそうです!
ことしは、営業開始前の飲食店が場所のみ提供してくれるという例もあり、
徐々に認知度も高まっているようでした。
(キャラクター同士の飲み会やアルバイトのシチュエーションでの撮影も楽しめそう)
次回開催について
ちなみにイベントの収益は、
人件費や実費を除き「教育環境整備基金」や「生活支援事業所 陽」など、
市や市内の施設へ寄付をしています。
その活動を評価され、市長もイベントに深い理解を示しています。
2019年10月の開催時は、前売り券は完売、参加者は合計695人。
大きなトラブルもなく、次回の準備もすでに始まっています。
次回は鴻巣に桜が咲き誇るころ、2020年4月5日に開催予定です。
去年の様子を見ても、撮影には絶好のシチュエーションということがわかります。
前売り券の売れ行きによっては当日に人数を制限する可能性もあるので、
参加したい!という方はお早めに~!!
(写真提供:仮染街@こうのす実行委員会)
※「仮染街@こうのす」は、開催延期が決定いたしました。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
http://www.cosplaycossan.com/karisomegai_07.html