皆さん、こんにちは。元NHK長崎放送局、サガテレビアナウンサーの牛島奈津子です。この夏、宮崎から関東に引っ越してきました。“九州への愛”はそのままに、関東から九州の良い所・事・物・人などを発信していきます。
今回は、学生たちが奮闘する『47都道府県』の魅力がたっぷり詰まったお店の話題です。経営から店舗運営、プロモーション、接客まで全てを学生たちが手掛けます。東京駅近くのお店にお邪魔してきました。
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よんなな プロジェクト
よんなな プロジェクト詳細
学生が手掛ける“地域創生”ショップが東京にオープン【九州】
目次
2022.08.15
学生経営×地方創生
学生たちが経営から接客まで、商売を学んで実際に店舗を運営するプロジェクトが始動しました。その名も『アナザー・ジャパン』。これは、三菱地所株式会社と株式会社中川政七商店が進める47都道府県の地域産品セレクトショップで、『TOKYO TORCH』(東京駅近く)に8月2日にオープンしたものです。
47都道府県を『北海道・東北』『中部』『関東』『近畿』『中国・四国』『九州・沖縄』の6つのブロックに分けて、それぞれのエリア出身の学生が、お店に並べる商品を掘り起こしてセレクトし、実際に現地に足を運んで、交渉、買い付けなどを担当します。また、参加している18人が『プロダクト』『コミュニケーション』『オペレーション』の3つのチームに所属し、役割を分担して活動しています。
学生18人の役割
『プロダクトチーム』は、商品をお客さんに届けるための戦略を考えたり、クラウドファンディングの立ち上げから運営を担ったり、商品に関することを主に担当しています。『コミュニケーションチーム』は、インスタグラムやツイッターなどのSNSでの発信や、メディア対応、リーフレットの作成など、コミュニケーション力が大切なチームです。『オペレーションチーム』は、売上の分析をしたり、シフトを組んだり、店舗運営を円滑に行うにあたって鍵を握るチームです。それぞれのチームに6人ずつ所属し、3月末から研修を重ねてきました。
お店のビジョンは、「懐かしさと新しい発見を届けて、新しい日本を作る」。地元のお客さんには、懐かしさや郷土への愛を感じてほしい。地元ではないお客さんには、新しい発見をしてほしいという思いが込められています。
オープン初日から100人を超えるお客さんが訪れました。売り切れの商品も続々と出ていて、再入荷待ちの商品もあるということです。店舗経営を手掛ける学生を応援したいと、今回のプロジェクトに賛同し、今まで東京に一度も出したことのない商品を置かせてくれる生産者もいて、東京では見られなかった初めての品も並んでいます。
トップバッターは『キュウシュウ』
はじめにスタートしたのが、『キュウシュウ展』。『アナザー・ジャパン』は、2か月ごとに特集する地域が入れ替わるセレクトショップです。初回のコンセプトは、「九州という宴(うたげ)があなたを待っている」です。6つのエリアそれぞれを3人ずつ担当しているため、福岡県、長崎県、沖縄県の九州エリア出身の学生3人で、商品のセレクトから交渉、買い付けまで、商品に関する全てを担当しています。
九州には、豊かな食文化をはじめ、歴史ある祭り、迫力のある数々のイベントが催されます。九州の文化を大切に、九州そのものを『宴』に見立て、商品選びからプロモーションに至るまで表現しました。商品が並ぶそばに『お祭り』の文字。今の時期にぴったり!祭りの準備をする『装い』、そして『乾杯』、『贈り物』などとストーリー性のあるこだわりの陳列で、地域の商品を並べています。1つ1つのポップも、プロダクトチームが、どうしたら地元や商品の魅力、生産者の想いをお客さんに伝えられるかを考え、手書きで添えられています。
『宴』に見立てた商品
福岡県出身で、佐賀県、長崎県、宮崎県で過ごしてきた私にとって、九州は大切な場所。そんな大好きな空気を感じることができました。また、地元について、接客してくれる学生さんと話ができるのも魅力です。知っている商品ももちろんありましたが、色々な土地に足を運んで取材してきたはずなのに、知らなかった商品もたくさん並んでいて、見ているだけでワクワクしました。
ガラス伝来の地、長崎県からは、優しい明かりが味わえるガラスで作られた貴重なミニランプや、教会のステンドグラスと石畳をイメージしたお洒落なパッケージのアロマミスト。
日向(ひなた)の国とも呼ばれる宮崎県で作られた『ひなたのほしものがたり』は、たくあんやキムチなどがあり、人気が高い商品です。また、椎葉村で作られる『フルーツバター』は、マンゴーといちご、日向夏の3種類のフレーバーで、南国気分の味わうことができます。
他にも、土の素朴さと彩りの調和が特徴の伝統工芸品の『佐土原人形』や、夏には欠かせない線香花火に、団扇や扇子。佐賀県からは嬉野茶などなど、400~500点もの商品が訪れた人たちの目を楽しませてくれます。地酒やワインなどのお酒のコーナーも充実していました。
2か月ごとに違うエリアに変身
18人全員が全力で作り上げる『アナザー・ジャパン』は、2か月ごとに全商品が入れ替わり、内装や雰囲気など、お店がガラッと変わります。訪れる度に、新たな発見、もうひとつの日本があるはずです。
入口では、可愛らしいロボットが出迎えてくれます。「ご出身地域を教えてください」という文字とともにロボットが置かれていて、「九州ご出身の方」または「それ以外の地域ご出身の方」のボタンを押す仕組みとなっています。今後、店舗を運営していく上で分析し、経営につなげていくということです。
また、店を訪れるだけでなく、商品を手掛ける生産者のもとへ実際に訪れてほしいと、旅行会社とコラボレーションしてツアーができないかなど、試行錯誤しながら企画を思案中だということです。
只今開催されている『キュウシュウ展』は10月2日(日)まで。営業時間は、午前11時から午後8時までです。
10月5日(水)~12月4日(日)は、『アナザー・ホッカイドウトウホク』
12月7日(水)~2023年2月5日(日)『アナザー・チュウブ』
2月8日(水)~4月2日(日)『アナザー・カントウ』
4月5日(水)~6月4日(日)『アナザー・キンキ』
6月7日(水)~8月6日(日)『アナザー・チュゴクシコク』へと移っていきます。カフェも併設されていて、エリアに合わせた食べ物やドリンクも楽しめます。フォトスポットもあって、47都道府県をかたどった絵馬と一緒に撮ることもできます。私は、ゆかりの4つの県を手に撮影。
「4つも持った人は今までいないです!」
と言われましたが、自信を持ってカメラの前に立ちました。学生たちがつくる『地元』と『旅先』の両方を兼ね備えた、郷土愛溢れるお店。一度だけでなく、二度三度とぜひ足を運んでみてください。
【アナザー・ジャパン 学生による地域産品セレクトショップ】
https://another-japan.shop/
福岡県太宰府市出身。北は北海道から南は宮崎まで色々な土地で暮らしてきました。住めば都!地元の人以上に満喫し、楽しむことが得意です。現在は宮崎県在住で、宮崎サンシャインFMパーソナリティ。宮崎日日新聞社が発行する生活情報誌のサポーターとして、取材やリポートのお仕事もしています。3人の子育ても真っ只中。子供の目線も持ち合わせています。