紅はるかの天ぷらと発酵クラフトコーラのペアリング【茨城県】

　ごきげんよう、食専門のフリーアナウンサー・木村彩乃です。スイーツメインですが、最近はクラフトコーラの沼に落ちかけています。
　茨城県のクラフトコーラ屋さんが、人気飲食店2社とコラボしたレストランが7月24日に東京虎ノ門にオープンしたので行ってきました。

　3社がどういうお店かと言うと、まずは、茨城県で330年以上続く【柴沼醤油醸造】の18代目が
「健康に良い“発酵”をPOPに楽しく、醤油以外でも伝えていきたい」
という想いからスタートしたクラフトコーラの【8cco】。その柴沼醤油をジンギスカンのタレとして使っている【羊サンライズ】。オーナーが茨城県出身で繋がったそうです。更に茨城県のさつまい芋を扱う【秘蜜な焼き芋】がコラボした【虎ノ門ノ羊ノ門ノ昼ノ門】というお店です。
　バーガーショップによくある3点セット（バーガー、ポテト、ドリンク）をイメージしつつ「ヘルシー」をテーマに、ケバブのラップ・サツマイモの天ぷら・クラフトコーラのセットがメインのお店です。

　写真左が、1年で30回以上の試作を重ねて誕生した「覚醒」というコーラシロップです。

　特徴としては「じゃばら」も「梅」も発酵している点です。じゃばらとは、ミカン属の柑橘で、苦みが強いそうです。醤油醸造で培った長年の経験から、発酵させることでこっくりとした旨みを強める事が出来、製法の特許も取得しました。取締役の小松慎さんは
「今は自信作ですが、最初は苦くて飲めたもんじゃなかったですよ」
と苦笑いしながら教えて下さいました。
　砂糖不使用で、はちみつで甘さを出しています。他にも瀬戸内レモンや飛騨山椒など日本中の美味しい柑橘・ハーブ・スパイㇲをこだわりの配合でブレンドしている為
「あえて漉さずにそのままご提供します」
という通り、食感はザラザラ。それがまた癖になります。栄養を全て取り込めるので健康的ですね。
　かなり刺激的で覚醒しそうな程のスパイシーなクラフトコーラの為、単体で楽しむイメージでしたが
「ペアリングを楽しんでほしいから、飲食店に置いて頂くだけでなく、自分たちでもお店を出したいと話す中で“虎ノ門ノ羊ノ門ノ昼ノ門”が生まれました」
との事。この刺激、お食事と合うのでしょうか？

　疑いつつ訪れた筆者ですが、結果的にはぴったりのペアリングで参りました！予約がとれないと話題の【羊サンライズ】監修のケバブラップ。和テイストと聞いていたので優しい系かとおもいきや、スパイシーでした。尖ったケバブとコーラの2種が重なることで心地よく馴染み合い口から喉へと進んでいきます。ハンバーガー＆コーラを頂いているようなジャンキー感が味わえつつ、共に健康志向なので少し不思議な感覚に陥りました。

　選べる味変用のソースは柴沼醤油の「てりやき」をチョイスしたところ、一気に和テイストにまろやかな味わいに変わりました！ラップはなんと、半日分の野菜入っていて、かなりの大きさで食べきれるか不安でしたが、刺激で食欲が増進したのかあっという間でした。

　なにより衝撃的だったのが、焼き芋の天ぷらです。「茨城県産紅はるか」なのでそれなりの甘みは期待していましたが、食感が予想外だったんです。1度ミキサーにかけて固めなおした？と思う位とろ～り食感！1度焼いて、寝かせて、また焼くという2段製法にすることで、一段とねっとり感が増すそうです。小松さんは
「お店に来た知人から“お芋やさん”って言われるんです。コーラ屋さんなんですけれど、焼き芋の天ぷらの美味しさにも衝撃を受けたみたいでして、、、」
と照れ笑いを浮かべておりましたが、お知り合いの方の発言に納得のいく美味しさです。

　周りの衣は米粉を使っていてカリカリなので、食感のコントラストも楽しめます。ポテトのような、デザートのような、両方の役割をはたしていますし、なにより甘みが強いのでスパイシーな2種と合わせて楽しめました。食べやすいサイズ感だな～と思ったら、市場に出回らない小さいサイズのものを正規料金で買い取ることで、地元を応援しているそうです。

　今後はインバウンドも視野にというお話でした。既に60カ国以上へ輸出している柴沼醤油のように
「クラフトコーラ・和ケバブ・天ぷらも日本の誇れる食文化としてどんどん発信していきたいです！」
と自信満々にお話する姿が印象に残りました。
　茨城食材・日本の食文化はもちろんのこと、筆者はこのちょっぴり不思議で楽しいペアリングを多くの皆様に体験して頂きたいなと思いました。

【HP】
https://www.instagram.com/kebab_sheep/
https://kinokagura.com