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よんなな プロジェクト

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【神奈川県】横浜から全国へ 元ルーマニア軍人が魅せる東欧ワインの世界

目次

こんにちは。日本とヨーロッパを行き来するアナウンサー、高柳美枝子です。おうち時間が増えたこの2年間、家でお酒を嗜む人も多いのではないでしょうか。横浜にあるこちらのワインショップは全国でも類を見ない個性派。ルーマニアの元空軍パイロットが開いた店内には、オーナーの日本愛と望郷の念が詰まっています。
Daniel's Wine Shopのダニエルさん(左)

ルーマニア、スロベニア、ハンガリー・・・東欧から300種

 横浜・山手の商店街に佇むDaniel’s Wine Shopはまさに東欧ワインの博物館。白壁に300種類以上が並びます。店内のどこを見渡しても日本人には馴染みの薄い国々のラベルばかり。一体どうやってこんなに沢山の、簡単に手に入らない東欧ワインを輸入しているのでしょう・・・?

なんとコロナ禍の前から、オーナーであるダニエルさんが現地のワイナリーに足しげく通い、自分の目と舌で品質を確かめ輸入したのだそうです。

東欧ワインが安くても美味しい理由

 ルーマニアを含めた東欧諸国は、大陸性気候。ブドウ栽培期は雨が少なく日射量が豊富で、夜は急激に冷え込み、秋は穏やかに長いのが特徴です。これがブドウに酸味と糖度を促し風味豊かなワインに変身するのですが、さらに東欧の為替安も手伝い、『フランスの高品質ワインよりもランクの高い賞を受賞しながら、価格は東欧価格』という消費者には嬉しいことづくめのワインが出来上がるというわけです。
東欧諸国内での消費ばかりだった東欧ワインを日本に広めたい!そんな情熱がダニエルさんの背中を押し続けてきました。

空軍パイロットからワイン商へ

 「以前はパイロットでした。」
と、流暢な日本語で昔の写真を見せてくれました。

ダニエルさんは留学生として神奈川県内の航空大学校に通い、卒業しました。そしてルーマニアに戻り軍人として働き始めたものの、
「これでは必死に学んだ日本の知見を活かせられない。」
と、遠いルーマニアで軍用機を触りながら、日本への思いが溢れたと言います。

「僕の居場所はここ」ワインと横浜に恋をして

 ルーマニアに来た日本人をワイナリーに連れて行った時のこと。日本語で東欧ワインの説明をするうちに
「ワインを通じて日本とルーマニアの橋渡しをしよう!」
とひらめいたそう。一大決心して退役し、懐かしい神奈川に戻ることにしました。

念ずれば花開く。横浜の山手で東欧ワイン専門店を開業し、ワイン業界ではちょとした有名店に成長しました。東欧ワインの品揃えは関東随一、いや、日本一かもしれません。私が訪問した日のBGMはサザンオールスターズ・・・ダニエルさん、神奈川県民のツボをよく理解していらっしゃいます!

横浜で広がるダニエルさんの夢

 「異文化が輝く場所といえば横浜でしょ」
と充実感に溢れる表情のダニエルさん。その目はまだ先を見据えています。
「ワインには、その土地の土壌、気候、文化が全て織り込まれています。将来は横浜発で東欧ワインの専門学校を設立し、東欧の文化とワインの魅力を伝えながら、大好きな日本と東欧の橋渡しをするのが夢です。」
ダニエルさんの東欧雑学を聞きながらテイスティングをすると、東欧ののどかな景色が浮かびます。出されるワインは全て高品質ながら、価格は西洋ワインの1/3のものばかり。ダニエルさんの東欧ワイン講座はいつも大人気です。この活動がきっと学校誕生につながるのでしょうね。
日本と東欧に思いを馳せながら、参加者達は今日もグラスを傾けるのでした。
【DANIEL7’S WINE CLUB】https://danielswine.club/

アナウンサー紹介

ブルームバーグテレビでリポーターとプロデューサーを兼任し、世界の金融経済情報や日本の政治情勢を伝えた。自身の単独インタビュー相手には麻生太郎氏、石破茂氏、故塩川正十郎氏など政界の大物が名を連ねる。「放送は一般庶民のためにある」との思いからテレビ宮崎に転職し、同局のアナウンサーとして、得意の報道以外にもバラエティー番組やドキュメンタリー番組にも出演。フリー転身後は、マレーシアやドイツなど日本と海外を行き来しながら活動を続けている。