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よんなな プロジェクト

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アナウンサーのお仕事 食リポの極意!

目次

はじめに

皆様こんにちは。
地元愛媛県と宮城県でキャスター・リポーターを務めておりました野村沙綾です(^^)

大変なタイトルをつけてしまいましたが……(笑)
普段、地方の魅力を中心に発信している47発信プロジェクト。
今回は、実はサイト内でも関心が高いという
「アナウンサーの仕事」について書いてみます。

その中でも、わたしが特に苦労したものの1つ
「食リポ」について少し詳しくご紹介致します。

「美味しそうに見えない!」食リポ失敗談

「食リポ」皆様おそらくご覧になったことがありますよね。
番組でご紹介するメニューを食べて、その味についてリポートするものです。

私が食リポに初挑戦したのは、NHK松山放送局を卒業しフリーになったあと。
民放である宮城テレビにてリポーターを始めた頃でした。

じつはNHKでは民放のようにPRのために飲食店などを紹介しないため、
食リポをする機会はほぼありませんでした。
(つまり、味を説明すればいいんだよね……)
初めての食リポ、わたしは緊張しながら商品を食べ、
一生懸命考えて味や食感についてコメントしました。

するとディレクターが一言、
「考えてる顔して食べてるから美味しそうに見えない!」と……。
ディレクターの指摘はこうでした。
「1番大事なことは、まず美味しく食べること。美味しい!っていうリアクション。
味や食感なんてナレーションでも説明できるけど、
美味しい顔は食べたときにしかできない。」

目から鱗でした……。

それ以来、まずはコメントよりも「食べた感動」を大事にし、
コメントは食べながらゆっくり考えて言うように心がけました。
(中継でない限り編集ができるので、ゆっくり考えてからのコメントでOKなのですね)

とは言えカメラの前、慣れない食リポ……
緊張しながら食べているとなかなか味がしません。
食リポには、慣れも必要なのかもしれません….。

食リポの極意①「コメントの順番が鍵!」

次の段階として、わたしは先輩たちの食リポをよく見て、
どんなコメントをしているか書き出してみることにしました。
すると食リポには、次のような要素があることがわかりました。
見た目、香り、食感、味、食材同士・またソースとの相性……など。
たとえばデカ盛りだったり、
特徴的な見た目であればそこにも触れなければなりません。
そのメニューを初めて見たときの気持ちを大事に、
視聴者と同じ立場になってコメントするのがポイントです。

また、食リポの上手な先輩は「コメントの順序」にも気をつけていることに気づきました。
たとえばココナッツソースのかかったパンケーキを食べるとします。

「わぁココナッツの甘い香りが食欲をそそります!(香り)
いただきます。ココナッツソースが甘すぎなくてさっぱりいただけますね(味)
ナッツのカリカリとした食感もアクセントになっていますよ!(食感)
パンケーキはふわっふわで、噛んでいると口の中で溶けていきます。(食感)」
といったような感じ。

これはおそらく自分が「食べて感じた順」にコメントしているのではと思いました。
そうすると見ている視聴者の方も、
実際に自分が食べているような感覚をリアルに味わうことができます。

食リポの極意②「気持ちを大事に」

リポーターを始めたばかりの頃、食リポがとても苦手だったわたし。
しかし、2年、3年と続けていくうちに
「野村さんの食リポ、美味しそう!」と言っていただけるようになりました。

基本の食リポに加えわたしが気をつけていたのが
「食べたときの気持ち」を素直に伝えること。
ふきのとうの天ぷらなら
「春が来た!って感じますね。東北は冬が長いから、春の味は嬉しいですね~」
じゃじゃ麺なら「盛岡に来たらこれを食べなきゃ!ですよね」
行列のできるラーメンなら
「これは並びますね…!並んででも食べたいです!行列も納得!」などなど……。

凝ったコメントではないですし直接味や食感のことではないけれど、
料理を食べて引き起こされた「気持ち」。
これを素直に言うようにしました。
「気持ち」は見ている方にもおそらく伝わりやすかったのではないかと思います。

食べて美味しかったリアクション、
感じた順にコメント、
食べたときの「気持ち」をリポート……

こうして見ると、食リポで大切なことは、
いずれも変に凝ることなく、素直に感じたまま食べる、
ということだったのかもしれません。

これが正解!ということではなく、あくまで個人的な見解ですが……

ぜひ今度テレビで食リポを見るときは、
どんなことをコメントしているか注意して聞いてみてください!

またアナウンサーを目指している方は、
自分なりの食リポの極意を見つけてみてくださいね!

 

 

アナウンサー紹介

愛媛県出身。地元、NHK松山放送局キャスターを5年務める。結婚後、夫の転勤で各地を転々としながら地方局リポーターやイベントMC、ナレーターとして活動。明るい声とハキハキとした滑舌、10年以上の生放送経験で培った度胸が持ち味。オタク気質で、好きな音楽について話しだすと止まらない。ライブ参戦、1人カラオケが趣味。2021年3月から広島在住。