2020.01.17
お正月の定番、お雑煮
こんにちは。
岡山・香川、石川、徳島の放送局でアナウンサーをしてきた小坂知里です。
新しい年が始まりましたね!
お正月、お雑煮は召し上がりましたか?皆さんの地元ではどんなお雑煮ですか?
愛知県出身の私のお雑煮のイメージはとってもシンプル。
豊田市にある実家では、カツオだしの汁に煮た角餅、白菜、上にかつおぶしをかけていただきます。
また、名古屋市内の祖母の家では、同じくカツオだし、角餅に、もち菜(もち菜は昔から尾張地方で栽培されてきた小松菜に似た青菜です)。
このようにシンプルなお雑煮を20年以上食べていた私。岡山・香川の放送局でアナウンサーとして働くようになり、初めて迎えたお正月で度肝を抜かれました。
世にも珍しい香川のお雑煮
香川で定番のお雑煮。一見すると、白味噌仕立ての汁に人参や大根といった具材が入ったお雑煮ですが、実は、中のお餅が小豆入りの甘い「あん餅」なんです!!「白味噌のお味噌汁にあん餅!?これって美味しいの!?」
そもそも愛知県出身の私にとっては、お味噌汁と言えば「赤出汁」で、香川県に住むまで白味噌のお味噌汁を飲んだことはほとんどありませんでした。
当時は白味噌のお味噌汁自体が珍しく、さらにその中にあん餅が入っているということが衝撃的で……。
初めて見た時は、この組み合わせが信じられませんでした(笑)。
あん餅雑煮を前になかなか手が出せません。
が、恐る恐る食べてみると……
「なにこれ!美味しい!!」
あん餅と白味噌の相性が意外なほど良く、この甘じょっぱさがクセになりそう!食べる前はあんなにドキドキしていたのに、ひと口食べたら、すんなりとあん餅雑煮を受け入れていたのでした(笑)
あん餅雑煮の由来
さて、なぜあん餅をお正月のお雑煮に入れることになったのかと言いますと、香川県は「讃岐(さぬき)」とも呼ばれますが、この讃岐地方では江戸時代、塩、砂糖、木綿の「讃岐三白(さんぱく)」が特産品とされていました。
当時、庶民にとって砂糖はぜいたく品。
そこで、“せめてお正月くらい甘いものが食べたい”と生まれたのが「あん餅雑煮」と言われています。
当時は味噌も貴重だったそうで、あん餅雑煮はぜいたく品の極みだったとも言えます。
ちなみに、具材の人参や大根などは、今年一年丸く収まりますようにと願いを込めてなるべく「輪切り」にするんだそうです。
あん餅雑煮、どこで食べられる?
高松市内では、あん餅雑煮を提供している店舗が数軒あります。
そのうちの一軒、市中心部の商店街にある「甘味茶屋 ぶどうの木」さんでは、定番メニューとして一年中、あん餅雑煮をいただくことができます。
地元の方々はもちろん、観光客にも人気のお店です。香川を訪れた際は、ぜひ「あん餅雑煮」を召し上がってみてください!
『甘味茶屋 ぶどうの木』
住所:香川県高松市百間町2-1
電話番号:087-822-2042
営業時間:10時~20時 ※日曜日10時~16時
定休日:月曜日 ※祝日の場合は翌日休み