2021.02.08
こんにちは。
山口県出身・在住のフリーアナウンサー、池田モトです。
NHK秋田・NHK山口でキャスター・リポーターを務めてきた私が、
山口、ときどき秋田の魅力をお伝えします。
今回は山口県の予約必須!大人気のとても可愛い和菓子をご紹介します♪
可愛すぎる和菓子「大内もなたん」は山口の伝統工芸品「大内人形」がモチーフ
それは、明治30年創業・老舗和菓子店「山口風月堂」の「大内もなたん」という最中。
山口県の伝統工芸品「大内人形」がモチーフです。
「大内人形」には心温まる伝説があります。
『14世紀中ごろ、西の京として栄えていた山口の地に館を構えた大内弘世は、京都三条家から美しい花嫁を迎えましたが、花嫁は都を恋しがり、毎日泣いていました。
弘世はそんな花嫁のために都から多くの人形職人を呼び寄せ、屋敷を人形でいっぱいにしました。
花嫁はこれをたいそう喜び、2人は仲良く幸せに暮らしました。』
この伝説から「大内人形」は山口県では今も夫婦円満の象徴・守り神として親しまれています。
「極上のお菓子で大内人形の魅力を再発見するきっかけに」若女将が考案
「大内もなたん」をプロデュースしたのは4代目若女将の渡邊さち子さんです。関東から嫁いできた渡邊さんは大内人形を初めて見たときに一目惚れ。
しかし、地元の若い人は大内人形への関心が薄れつつあり、作っているのはあと5工房という現状を知りました。
「素敵なストーリーがあり、こんなに愛らしく繊細な伝統工芸を紡いでいくお手伝いができれば嬉しい」と感じた渡邊さん。
「大内人形をモチーフにした極上のお菓子を作り、老若男女問わず大内人形の魅力により多くの方に気づいていただき、地元みんなで守り育てていくきっかけの一つになれば」と「大内もなたん」を考案しました。
何度も試作を繰り返し、2016年11月22日に販売が開始。
2018年度のグッドデザイン賞を受賞し、今や売り切れ必至の人気和菓子となりました。
トータルで「和の美」を伝える。細部に渡る「大内もなたん」のこだわり
餡作りから包装まですべてが手作りの「大内もなたん」。
中でも大内人形の模様が描かれた紙で包装する工程は包み方で微妙に表情が変わるため、渡邊さち子さん1人が担当しています。
渡邊さんは「冠婚葬祭や贈答用にお使いいただくことが多いので、贈り主の皆さまのお気持ちが先様により届きますよう、穏やかな心で包むことを心がけています。
完成して箱を閉めるときはいつも「いってらっしゃい」の気持ちです」とおっしゃっていました。
また、「大内人形という伝統工芸だけでなく、個包装紙・箱・栞に和紙を用い、水引で留め、筆文字で描く。
トータルで、『和の美』をお伝えすること」に1番こだわっているそう。
「大内人形の世界観を決して壊さぬよう、できれば高められるように」と、漆塗りの大内人形の品格を表現するために非常に美しくしっかりした箱を使用し、一対の漆塗りの大内人形をモチーフにしているためバラ売りもしていないと教えてくださいました。
細かいところまで気を配り、想いを込めて作られていました。
食べるのがもったいない!でも美味なので食べなきゃ損!「大内もなたん」を実食
私もずっと気になっていた「大内もなたん」と初のご対面!
お殿様とお姫様が手のひらに仲良く収まるサイズで、可愛らしく微笑みかけてくるのでこのまま飾っておきたいほどです。
最中も優しくほっこりする表情。
北海道産の特選小豆、京都の老舗茶園『丸宗』の石臼引き抹茶、九州産特上米飴、信州産天然寒天などこだわりの素材を使用しており、お殿様の最中には上品で深みのある甘さの粒餡、お姫様の最中は香豊かな宇治抹茶餡がぎっしり詰まっていましたよ。最中もとっても香ばしく、美味でした!
今回は自分用に購入しましたが、様々なシーンで大切な人に送りたくなるお菓子です。
みなさんもぜひ手に取って想いを感じ、味わってみてくださいね。
山口風月堂公式サイト