皆さん、こんにちは。元NHK長崎放送局、サガテレビアナウンサーの牛島奈津子です。今は、宮崎のラジオ局から地域の旬の情報などを発信しています。南国・宮崎といえば、温暖な気候とともに、人も温かく、美味しいグルメもたくさんあります。実は、全国的にはあまり知られていませんが『餃子のまち』でもあるんです。2021年の餃子購入額、購入頻度ともに日本一に輝きました!
トップ
よんなな プロジェクト
よんなな プロジェクト詳細
浜松・宇都宮をおさえ宮崎市が餃子年間王者に【宮崎県】
目次
2022.03.20
浜松・宇都宮をおさえ宮崎が悲願の餃子日本一
総務省が発表している家計調査をもとに、焼き餃子協会などがまとめた餃子のランキングによると、2021年1年間の1世帯当たりの『餃子の購入額』『購入頻度』ともに、宮崎市が初めて日本一の座に輝きました。2021年の上半期、『餃子の購入額』『購入頻度』ともに全国1位だったということで、県内各地で大変盛り上がっていました。2020年も、宮崎市は餃子の購入頻度で1位を獲得しましたが、購入額が3位だったこともあって、今回こそは、購入額とともにダブルで1位を取りたい、という思いが強かったんです。
総務省によりますと、去年1年間の1世帯当たりの餃子の購入額は、1位の宮崎市が4184円、2位の浜松市が3728円、3位の宇都宮市が3129円で、餃子といえば誰もが思い浮かべるであろう2強の浜松市と宇都宮市に大差をつけて、宮崎市が初めての年間王者になりました。購入頻度でも2年連続の1位を獲得し、購入額と購入頻度で2冠を達成しました。
「宮崎を明るく」宮崎市ぎょうざ協議会の思い
一昨年9月に『宮崎市ぎょうざ協議会』を立ち上げた渡辺愛香会長、普段は、屋台骨というラーメン店で働いています。一昨年の上半期、宮崎市が餃子購入額、購入頻度ともに日本一というニュースが流れたとき、
「宮崎の人って、こんなにも餃子を食べてくれていたんだ。」
と、コロナ禍で暗いムードが漂う中で一筋の光だったと話してくれました。そこでこれを弾みにして、宮崎全体を明るくしたいと、協議会を立ち上げました。立ち上げて3ヶ月はただ走っただけでしたが、去年は、お客様に餃子をいかに手に取ってもらえるか、口に入れてもらえるか、分析しながらできた1年間だったそうです。餃子に触れる機会を増やし、食べる習慣を身につけてもらうことやPRが、協議会の主な活動で、大小含め月に2回ほどイベントを開催しました。
また宮崎市は、2強の浜松市と宇都宮市にも伺ったそうです。20年間、浜松市と宇都宮市は交互に1位を取っている状況だったので、どうしてもそこに食い込むことに意味がありました。日本一にこだわる宮崎市は、
「3強に宮崎を入れてください!」
と、宇都宮市の神社を参拝したそうです。餃子の作り手や農畜産業の人たち、お客様など、県民全員で掴んだ1位なのです。
個性豊かな宮崎餃子
「皆違って皆良い」というのをよく耳にしますが、それこそが宮崎餃子の持ち味です。モチモチした皮や薄い皮、小さいものや色映えするものもあったりと、ビジュアルも皆違うし大きさも違うので、食べ比べすると面白いです。
共通点は、あえていうならば『素材』です。県内の物を県内で消費することが一番で、キャベツやニラ、肉など、宮崎の素材が餃子にギュッと詰まっています。キャベツは高冷地野菜なので、温暖な宮崎では育ちにくかったりしますが、それでも農家の皆さんが努力して作っています。
今後は宮崎餃子のブランドを守るために、ある程度の基準も作っていかなければなりません。現在、1月に立ち上げた『宮崎県ひなた餃子連合会』や県のブラント推進課などと協議中だということです。
餃子テーマソング『てげうま』で応援
去年の10月、大街市という宮崎市の祭りでお披露目されたのが、宮崎餃子のテーマソング『てげうま』。歌うのは、宮崎で活躍するツインボーカルユニット『dai華』です。dai華さんは、全国ツアーで宮崎を訪れた際、空の広さや食の豊かさ、人の優しさに感動して2018年の秋に移住しました。
「餃子のテーマソングを作って盛り上げたら、餃子で日本一になれるかもしれない。」
「とにかく宮崎が1位になってほしい。」
という思いで、dai華の大輔さんが、餃子を連想させるキャッチ―なフレーズにこだわって作りました。「てげうま」と「南国生まれの宮崎の餃子」というパワーワード。また、「あつあつ肉汁じゅじゅじゅーしー」のあとに、「じゅわじゅわ」というフレーズがあったりと、こどもも覚えやすく、拳をきかすところも喜んで真似をして歌ってくれるということです。宮崎餃子らしく「色んな餃子で百花繚乱」という歌詞も入れました。dai華2人の思いと、餃子に関わる人たちの思いで出来上がった曲。年末に行われた協議会の総会で皆さんの前で歌ったところ、大絶賛だったそうです。今では、県内のスーパーマーケットや餃子のイベントなどで必ずといっていいほど流れていて、宮崎を盛り上げるイメージソングような存在になっています。
dai華さんは、
「自分たちを広告塔のような形でどんどん使ってもらって、餃子の日本一記念イベントなどに立って、皆で作り上げていくことが重要。」
「宮崎の良さをもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいと心の底から思っています。」
と話していました。
餃子のまち宮崎・目指すは2連覇
次の目標は、ずばり2連覇!お客様が買ってくれないと1位になれないし、農家さんがおいしい野菜を作ってくれないと、宮崎餃子は素材がいいんですと言えません。行政も応援し、メディアでも取り上げ、官民一体となったこの取り組みが一過性のものではないように、県全体の取り組みとして進めていくことを目指しています。また県内だけでなく、県外に向けた取り組みを進めているそうです。九州の端の新幹線も通っていない土地に来てもらうより、こちら側から出向き、県外の方にも食べてもらう。食べた方の表情や温度感は、その場に行かないとわからないことも多いからです。宮崎餃子を食べた方に
「また食べたい!」
と感じてもらうだけでなく、宮崎へ遊びに行ってみようかなと思ってもらい、観光資源としても成り立たせていきたいとしています。
宮崎市ぎょうざ協議会の渡辺会長によると、日本一になって、想像以上の反響があったと言います。県外で取り扱いたいというお店が出てきたり、是が非でも食べたいとお問合せいただいたりすることも増えて、作っても作っても出ていく状態なんだそうです。
「生まれて初めてする体験というか、こんなにも求められるものなんだと。最大のチャンスなので、いかに多くの方に手に取ってもらえるか、皆で知恵を絞りだしているところ。」
だということです。
宮崎餃子は、一度食べたら、素材の良さを感じてまた食べたくなる味わいです。コロナが落ち着いたら、こどもの餃子作り教室や、〇〇さん家の自慢の餃子コンテストなど、消費者が楽しめるイベント作りも考えているとのこと。多くの方の思いが詰まっている『宮崎餃子』の今後に注目です。
福岡県太宰府市出身。北は北海道から南は宮崎まで色々な土地で暮らしてきました。住めば都!地元の人以上に満喫し、楽しむことが得意です。現在は宮崎県在住で、宮崎サンシャインFMパーソナリティ。宮崎日日新聞社が発行する生活情報誌のサポーターとして、取材やリポートのお仕事もしています。3人の子育ても真っ只中。子供の目線も持ち合わせています。