2022.09.15
初詣などの行事や観光、御朱印集めなど、神社やお寺に立ち寄る機会は意外と多いのではないでしょうか。
そんな身近な場所でありながら、日本では今後20年で40%の寺社仏閣が消滅すると言われています。また、コロナ禍で参拝客の減少などの課題も加速しています。
こうした状況に寄り添い、現代の寺社仏閣が直面する供養や葬儀、お墓参りに関する課題の解決を進める企業があるのをご存知でしょうか。
情緒・精神性を大切に・身近にすることで、更なるイノベーションが生まれる社会をつくる株式会社ELternalの代表取締役CEOの小久保隆泰さんに伺いました。
【聞き手:塩原桜(女子アナ47・テレビ埼玉)】
必要としている人に届くサービスを 長年の課題を解決するお寺やお墓との付き合い方
―株式会社ELternal はどのような事業を行っているのでしょうか
観光とお墓の2軸でサービスを提供しています。
観光に関しては、大手旅行サイトでも観光地の上位に食い込むお寺や神社をサポートするため、寺社仏閣のコンサルティングを、お墓に関しては次世代サービス付き永代供養墓事業を行っています。計30ほどの観光・お墓のコンサルティングを行っています。
―サービスの特徴を教えてください。
寺院コンサルティングサービス「守破離」(しゅはり)では、コロナ禍に負けない集客・収益増加のための提案で圧倒的な実績を誇っています。寺社ごとに特徴が違うため、どこをポイントにホームページに掲載するか、どんな雰囲気でSNSを運用するかなどの戦略を、オーダーメイドで提案します。 世界遺産にも登録されている仁和寺様の魅力を世界中の人々に知ってもらうと共に、文化や芸術を後世に伝えるお手伝いをしたり、地元埼玉では埼玉厄除け開運大師・龍泉寺様で御朱印プロデュースをしたり、ECサイトの構築、SNSマーケティングや初詣企画設計などを実施しています。
また、全国移動付き永代供養ネットワーク「燈」(あかり) は、「お墓を買わなくてはいけないが知識がない」「下の世代が遠方に住んでいて、維持管理が大変」などのお墓に関する悩みを解決できるサービスです。宗旨・宗派不問の個別型マンションタイプのお墓で永代供養を受けられ、全国のお寺が協力したことで引越し費用や管理費なども他と比べて低価格に。現代の家族のカタチに合ったお墓を提供しています。
―多くの人が必要としているにもかかわらず、今まであまりなかったサービスですね。このようなサービスを始めようと思ったきっかけは?
2040年まで死亡者数が増加することや、観光地としての寺社仏閣の人気の高さを考えると業界自体は日本有数の成長市場であるといえます。
また、お墓に関するサービスも、もともと感じていた課題に加え、お子様が離れて暮らしていたり、お墓の購入後、引っ越しなどでお墓参りが困難になってしまったという声や、改葬しようにもその高額な費用に悩んでいるというみなさんの声を聞いて生まれました。
事業の珍しさが武器に!コンサルのプロが考える広報のあり方
―SNSマーケティングや寺社のコンサルティングを行う戦略のプロである株式会社ELternal が、広報戦略で気をつけていることはありますか。
自社ブランディングの発信を強化しています。私が代表役員として20年間築いてきた埼玉厄よけ開運大師 龍泉寺の実績が各種メディアに取り上げられ、業界内から高く評価をいただいています。
現在、本山クラスの御寺院様からコンサルティング委託を受けているのは、これらの実績を評価いただいてのことで、参入障壁の高い業界の中での弊社の成長に繋がっています。
―広報で抱えている悩みはありますか。
ありがたいことに公報の悩みはあまりないです。今までに例を見ない取り組みのため、メディアに取り上げていただくことも多く、うまく回っています。
しかし、ソーシャルベンチャーとして社会課題を解決しながら責任感を持つことは大事にしています。会社がなくなってしまったら責任を取れないため、会社を存続させることを第一に考えています。上場を目指していますが、それは良い人材を集め、企業として継続していくことが目標だからです。
ただ、広報は専門のメンバーはおらず、自分自身や社内で数人が担当はしているものの、専門家はいない状況です。
認知の広がりが社会課題の解決へ
―これからの貴社の広報に求めるもの、期待するものはありますか?
我々の活動が必要なものとして世の中に浸透していくこと。
「寺社仏閣と共に社会課題解決に取り組む会社」として世間に認知していただけたらと考えています。埼玉厄よけ開運大師で築いた実績を軸にした自身のブランディング、事業成長による業界内での自社ブランディング、提携寺院の新たな価値を創造した寺院ブランディング。これら3つを段階的に着実に広報していくことが大切であると考えています。
うまく広報ができてお寺側にも認知が広がることで、弊社のサービスが求められ、それが事業や会社の継続にも繋がっていく。これが良い相乗効果になっていくのではないかと思います。
★女子アナ広報ワンポイントアドバイス
社会課題解決に取り組んでいる事自体がメディアに取り上げられやすく、方針はそのまま打ち出していけばよいと思います。SNSもうまく活用されてブランディングを強化していくとより良いかと思います。
焼き芋屋さんも事業のヒント?!小久保社長の休日の過ごし方とは?
―小久保代表が今夢中になっていることや、大切にしていることなどを教えてください
弊社のミッションである「日本に感動を。ELternalは未だかつてない圧倒的品質とサービスを創造し続け、世代を超えた感動を顧客に提供すると共に 社会課題の解決を目指します」を大切にしています。
休みの日も仕事につながることを考えています。街歩きをしていても、職業病でお店の発信の方に注目してしまいます(笑)地元でさつまいもを格好良く出すお店「芋屋TATA」を見つけ、感銘を受けたり、キッチンカーの運営なども地元の発信のイベントに活かすなど、仕事も休日もはっきり分けるわけでなくいずれも楽しみながら全力で取り組んでいます。
―仕事との関わり方と今後の目標を教えてください。
仕事を楽しみながら続けていることはとてもありがたく、この環境が良いサービス作りにもつながっていくと考えています。
事業やこうした社会貢献を通じて寺社仏閣をとりまく社会課題を解決しながら日本の活性化に貢献したいと考えています。
【取材後記】
「仕事がたのしいんですよね、ありがたいことに。」と心からの笑顔で話す姿に思わずこちらまでニッコリ。
地元を離れている人間のひとりとして、お墓問題はずっと考えてきたことの一つ。祖父母が、両親が、そしていずれは自分やその下の世代が必要となる場所を時代に合わせたカタチで提供していく。小久保代表が考えるサービスのその先を伺う中で、多くの人にとって幸せな未来を作っていく姿が見えました。
多くの人が困っていること、長年課題に感じている人が多かったにもかかわらず従来どおりで進んでしまっていたものを、自分たちが変える。という社会課題との向き合い方に、利益追求ではない、頼もしさを感じます!
小久保隆泰社長プロフィール
株式会社ELternal 代表取締役社長
小久保隆泰
早稲田大学経営管理研究科卒業(MBA)、寺社仏閣コンサルタント、埼玉厄除け開運大師・龍泉寺代表役員。
20歳で埼玉厄除け開運大師・龍泉寺の代表役員に就任。200軒だった檀家を10年で4,000軒まで増加させ、龍泉寺を埼玉県内トップの規模にまで成長させる。
2018年には、寺院を使った観光資源開発を行い、わずか3年で参拝客を150倍(1000人→15万人)に成長させた実績も。
また、自身がプロデュースした「大開運守り」や日本にはほかに例のない「切り絵の御朱印」などで高評価を得る。
20年7月に早稲田大学内で株式会社ELternalを創業し、これらの知見を軸に寺社仏閣のブランディングや経営改革を推進する。現在、世界遺産寺院をはじめとする大規模な寺社仏閣のコンサルティングを複数手掛ける寺社仏閣コンサルタント。
企画・制作
女子アナメディアPR局