お祭り版の食べログともいえる、日本最大級のお祭りポータルサイトを運営し、常にお祭りの開催情報や楽しみ方を纏めた記事などを発信し、お祭りのサポートを行う会社があります。その名も「オマツリジャパン」。
「お祭りで日本を盛り上げる」をコンセプトに創業した、お祭り専門会社です。
コロナ禍の中、オンラインでのお祭りを開催するなど、新たなチャレンジを続ける「オマツリジャパン」代表取締役加藤優子さんにお話を伺いました。
【聞き手:有働文子(女子アナ47・元茨城放送)】
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インタビュー詳細
2022.05.20
お祭り版の食べログともいえる、日本最大級のお祭りポータルサイトを運営し、常にお祭りの開催情報や楽しみ方を纏めた記事などを発信し、お祭りのサポートを行う会社があります。その名も「オマツリジャパン」。
「お祭りで日本を盛り上げる」をコンセプトに創業した、お祭り専門会社です。
コロナ禍の中、オンラインでのお祭りを開催するなど、新たなチャレンジを続ける「オマツリジャパン」代表取締役加藤優子さんにお話を伺いました。
【聞き手:有働文子(女子アナ47・元茨城放送)】
―まず御社の事業内容について、教えてください。
私達「オマツリジャパン」は、お祭りで日本を盛り上げることをミッションに掲げ、各地のお祭りをサポートする事業を行って、6年目の会社になります。日本は、八百万の神と言われるほど、とても沢山のお祭りがあり、実は世界一お祭りがある国とも言われています。この東京都内だけでも、コロナが無ければ、365日どこかで毎日お祭りがあると言われています。
全国で開催されるお祭りの数は30万件にも上り、平均1日に800件以上のお祭りが開催されています。普段あまり意識しないお祭りですが、地域の方の生きがいだったり、伝統文化・コミュニティや経済の中心地になっています。そんなお祭りが、少子高齢化にお金がない、アイデアがない、若い世代にPRが出来ないなど、今大変な危機に瀕しています。そういった困りごとに対してサポートを行うのが「オマツリジャパン」です。
事業内容としては、3本の柱になっていて、日本最大級のお祭りのポータルサイトを運営し、そこでお祭りを若い世代にPRすること。2番目として、協賛企業を集め、お祭りをマーケティングや商品PRの場所としていただき、主催者側のお金の問題を解決すること。3番目として、自治体と一緒に、お祭りを活用したツアーだったり、今ではオンラインツアーなど観光コンテンツを作ったりすること。主に、この3つ事業内容に力を入れています。
―自治体とも一緒に活動することがあるということですが、地方の可能性をどう考えていますか?
お祭りは、ない地域が無くて、必ずどの地域にもあります。お祭りは地域の魅力がぎゅっと濃縮されたものだと思っていますので、地方に出かけるきっかけには、なってきますよね。例えば、「青森ねぶた祭」や徳島の「阿波おどり」もお祭りの日が一番人が集まるので、お祭りがフックになっているということを表しています。そういう意味でいくと、地方にこそ、まだまだ「宝」が眠ってるんじゃないかなという印象はありますね。都心にもお祭りはあるのですが、地方の方が、まだまだ埋もれたお祭りはあるという印象です。
―お祭りの主催者側からは、かなり感謝されそうですね。
ビジネスモデルとしては、お祭りの主催者側からお金を直接いただくことは少なく、お祭りを支援する企業や自治体からお金を貰う仕組みづくりになっているので、お祭りを主催する地元の方からは、かなり感謝をされますね。
―御社で、CSR(企業の社会的責任)やSDGS(持続可能な開発目標)の観点から取り組んでいることは、ありますか。
弊社は、元々社会企業みたいな側面が強いので、最初から事業内容が「CSR」みたいな会社なんです。むしろ企業の「CSR」を助けるみたいなところがあります。例えば、お祭りを企業に手伝ってもらう仕組みを作ったりとか、「お祭り研修」と言って、お祭りを研修の場所にしていただくみたいな活動をやっています。実際には、JTの大阪支店と一緒に、お祭り研修を過去に開催したこともあります。
またオマツリジャパンは株式会社ではありますが、もともと全ての事業が売り上げには直結しないので、困っているお祭りの方がいればサポートしますし、いいお祭りがあれば、無料でポータルサイトに掲載はしています。それが何故出来るのかというと、メンバー全員が「お祭りが好き、そして地域を応援したい」という思いを持っているからです。
また、初めから「SDGS」を意識して起業した訳ではないのですが、街づくり関連の部分は、かなり事業内容にあてはまると思います。
―今後の活動として考えていることは、ありますか?
この時代なので、コロナの感染症対策のコンサルティングをやっています。お祭りは、国から発表されたガイドラインもしっかりない状態なので、私たちの方で様々な専門家の方と一緒に「ガイドライン」を発表させていただきました。もちろんガイドラインを作るだけではなく、ガイドラインを落とし込んだチェックリストを作ったりとか、どういう風にやったらいいかなどのレクチャーを含めた活動を行っています。
―社長にとっての広報・PRとは、どのようなものですか。
「お祭りで日本を盛り上げること」をミッションに掲げているので、そのミッションを叶える為の1つの手段だと思っています。お祭りというのが参加する方だけではなく、主催者がいたり、協賛企業の方が居たり、近隣の住民の方や神社の方など、様々な関係者が関わってくるので、そこで「オマツリジャパン」の活動がお金儲けの為だけではないと、活動を掘り下げて正しく理解していただくためには、広報・PRって重要になってくると思いますね。
―経営者として広報・PRに期待することとして、どんなことがありますか。
うちの場合は、「オマツリジャパン」自体と「お祭り」の広報PRの2種類あると思うのですが、どちらにも凄く力をいれています。我々ベンチャー企業ですので、営業の人員がそんなにないのですが、メディアの露出をすることによって、問い合わせがきたりとか、問い合わせが来ないまでも、「オマツリジャパン」を知ってると思わせることで、営業がスムーズに進むこともあります。
私達は、社会企業なので、取り組みを知ってもらってこそだと思っていて、会社自体の広報にも力を入れていますし、お祭り自体の広報に関しても、主催者の方って中々PRが得意じゃなかったりとか、頑張って地域の掲示板に情報が出ているというくらいなので、若い人達にお祭りを周知して来てもらうために、そちらにも力を入れています。
―具体的に、広報・PRが成功した事例は、ありますか?
最近、花火のチャリティカレンダーを販売しました。諸経費を抜いた全額を花火の協会に寄付するものなんですが、新聞で取り上げていただいた途端に、数百注文が入ったりしました。お祭りの広報に関しても、神社側からお客さんが増えたなど感謝のメールをいただくこともありますし、ポータルサイトの記事を見て、お祭りに興味を持つ人が増えたという感想をいただくこともあります。
―直近での広報活動や実績があれば、教えてください。
私達、意外と広報PRが得意でして、夏に「オンライン夏祭り2020」という8つのお祭りが合わさったものをオンライン上で開催しました。その時ですと、テレビは13本取り上げられ、新聞なども11~12媒体、ラジオやWEB等でも取り上げていただきました。広告費の換算にすると、約1.7億円くらいにもなります。その他、FACEBOOKと連携したという話を取り上げていただいたり、日々メディアへの露出はしていますので、実績は沢山あります。そのために、記者クラブへの投げ込みやプレスリリースなど基本的な広報活動はしています。
―そこまでのリレーション作りは、どのようにされたのでしょうか。
広報に関しては、一人の女性のメンバーがメインで、私はサポートでやっているのですが、私も超初心者でして、とにかく人に聞きに行きましたね。どうすればいいのか?どうやってプレスリリースを作るのか?とか。ただ、社会的な活動をしているので、取り上げてもらいやすかったのもあり、1度取り上げていただいた記者の方と今でも仲良くしていただいているような感じです。その記者さんにも「何か欲しいネタはないか?」と聞いたり、WINWINな関係を築けるようにはしています。もう広報って、営業だなと思っています。
―広報・PRの成果をあげるためにしていることは、ありますか。
4つあって、1つ目は、「社会的にいい活動をすること」。記者の方もいい活動を広めたいと思うので、まずはいい活動をすること。具体的にいい活動とは、今の社会に求められていることですね。今だったら、コロナ禍の中で何が出来るかみたいな、社会のニーズを理解することです。
また2つ目は、「ラブレター型広報」です。例えば、今回は山形県のネタなので、山形新聞の記者の方に送るとか、1対1の広報をしていくというのを大事にしています。
3つ目は、「メディアの気持ちを理解すること」。メディアが欲しい情報に合致するよう、取り上げてい欲しい事業内容の見せ方を変えて、情報提供することはあります。
4つ目は、私達広報初心者なので、「色んな広報の方に話を聞きに行ったということ」。大企業の広報の方や中小企業の広報の方、セミナーなども含めて、10人以上に話を聞いてみて、実際に今があると思っています。
―今後、自社のどのサービス・商品を、世の中に認知してもらいたいか?
先ほどからお話している企業協賛の部分です。今、お祭りがお金で困っているという現状があるのですが、なんで困っているかというと、昔ほどお金が集まらなくなってきているんです。昔は、提灯に名前を書いたりとかでお金を集めていたのですが、中々そういうものに企業が賛同しなくなってきたり、そもそもお金を出す企業や個人の数が減っていたりしているからなんです。
その一方で、企業側からは、人が沢山集まるお祭りで、リアルなマーケティング調査や商品PR・サンプリング等をしたいという声をいただくことがあります。そのコーディネートをすることが、新しい形のサポートなんじゃないかなと思っています。その困っているお祭り側と企業とのマッチングをしているということを、今後は広報・PRとして、力を入れていきたいです。
取材後記:
すべては、「お祭りで日本を盛り上げる」という加藤社長の熱い企業理念が、メディア側への取り上げにも自然と繋がっていると感じたインタビューでした。また、「社会が求めるいい活動をする」ということ自体が、広報・PRに繋がるというのも、とても納得のいく話でした。コロナ禍の波の中でも果敢に挑戦する「オマツリジャパン」。その事業内容に、今後も注目していきたいです。
株式会社オマツリジャパン 代表取締役 加藤優子
1987年生まれ。練馬区出身。武蔵野美術⼤学油絵科卒業後、(株)ピックルスコーポレーションに⼊社。商品開発とデザインを担当。震災直後の⻘森ねぶた祭に⾏った際、地元の⼈が⼼の底から楽しんでいる様⼦を⾒てお祭りの持つ⼒に気付く。同時に多くのお祭りが課題を抱えていることを知り、全国のお祭りを多面的にサポートする会社「株式会社オマツリジャパン」を創業し、現在6年目。2児の母。
企画・制作
女子アナメディアPR局
大学卒業後、ケーブルテレビ大手j:comの社員として入社。地元大田区の情報番組「しぇいく.はんど~おおたの(笑)商店街~」では、松尾伴内のアシスタントMCを担当。また茨城放送の「スクーピーレポート」では、県内各地からの中継レポートを担当し、800か所以上を取材。お昼の情報番組「ハッピー・パンチ」では、歌手・KATSUMIのアシスタントを務めた。現在は、関東を中心にTV・ラジオ・ナレーションの等を幅広く担当。去年のラグビーW杯では、各地PVのMCや試合後のインタビューを担当し、活躍の場を広げている。1児の母