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【埼玉県 鴻巣市】コスプレイベントでまちおこし

目次

鴻巣市ってどんな場所?

長野県出身、フリーアナウンサーの塩原桜(しおばら・よしの)です。
学生時代は東京で過ごし、
前任地は山形、現在働く埼玉や夫の地元である神奈川など
様々な土地に縁があります。
各地の良いところ、おもしろい場所、おいしい物など、どんどん紹介していきます!

今回は埼玉県鴻巣市で年2回開催される街ぐるみのユニークな取り組みです★

人口およそ11万8000人。
埼玉県のほぼ中央に位置し、
市南西部には秩父山地を源流とする荒川が流れる鴻巣市。

関東ローム層や荒川沖積層からなる肥沃な土地は気候に恵まれ、
花弁や果樹の栽培に適していることから「花のまち」とも呼ばれています。
また、江戸時代には旧中山道の宿場町として栄え380年以上の歴史を誇る
「ひな人形のまち」でもあります。

東京駅や上野駅からもJR高崎線・上野東京ラインで1時間以内という
地理的条件の良さから、東京のベッドタウンとして、
県央地域の中核都市として、発展しています。
駅前を中心に飲食店やショッピングモール、神社などの施設があり、
地域のお祭りなどにも地元の人が訪れるイベントもあります。

コスプレ×まちおこし

そんな利便性の高い地域に位置しながら、市内に運転免許センターがあることから、
ほかの大型の施設などがないことを揶揄して
「免許センターしかない」といわれることもしばしば……。

そんな鴻巣市を「花のまち」「ひな人形のまち」として以外にも知ってほしい、
街自体にも足を運び、もっと街の良さを知ってほしいと考えたのが
実行委員長で鴻巣市在住の菅又春香さんです。

菅又さんは、2012年夫の転勤がきっかけで、
当時小学2年生だった息子とともに鴻巣市に引っ越してきました。
はじめはそれまで住んでいた札幌との差に驚きましたが、
子どもにとって「ふるさと」になる鴻巣市を
今よりももっと魅力ある場所にしたいと立ち上がりました。

イベントを通して鴻巣の良さを知ってもらいたいと、菅又さんは、
「今のままの鴻巣の街並みに手を加えず、多くの人に来てもらえばいい」と考え、
試行錯誤の中思いついたのがコスプレイベントでした。

町全体に協力してもらうため市内を駆け回った菅又さん。
はじめは「この街にコスプレイベントなんていらない」という強い意見もありましたが、
徐々に協力してくれる市民の方が集まり、
2017年、第1回「仮染街」の開催が実現しました。

まち歩き型コスプレイベント「仮染街」

「仮染街」は鴻巣の市街地を丸ごと使った街歩き型のコスプレイベント。
年に2回春と秋に開催され、2019年10月に6回目を迎えました。

受付はJR鴻巣駅東口のコンコース。開場前から多くの人が並びます。
そして、更衣室となる市民活動センターの出口からは
続々とコスプレイヤーのみなさんの姿が!

お気に入りのアニメのキャラクターや映画の登場人物になりきった参加者たちが
続々と街へ繰り出していきます。
なんだか楽しそうな様子に、コスプレイヤーでもある私も一緒に街歩きを楽しみました。

声をかけてくれる市民の方もいて、楽しめました♪

一般的なコスプレイベントでは、イベント会場以外で
衣装やウィッグをつけたままで歩くことは基本的に禁止されることが多く、
衣装を着たまま街歩きができるというイベントはそこまで多くありません。
また、街中では市のお祭りも開催していて、
出店でコスプレイヤーの皆さんがはしゃいでいる様子はなんとも新鮮でした!

「仮染街」ではコスプレイヤーと一般の人が
同じ権利・ルールで過ごすことを目指しています。
そのため受付時に配布された撮影マップには
基本的なルールと撮影ができない場所が記載されています。

ただし、店舗内での三脚の使用など、一般の人の通行の妨げになるものは禁止。
つまり、常識の範囲内でどこでも撮影が可能ということなんです。

なので……こんな写真も撮れるんです!

コスプレイヤーにとってうれしいポイント!

コスプレイヤーにとってうれしいポイント!

私が推したいポイントはスタッフの皆さんのホスピタリティーです。

回を重ねながらコスプレイヤーのみなさんが必要なものを考え、
更衣室のアメニティや移動中に使えるアイテムを設置しているとのこと。

例えばこちらの撮影可・不可がわかるカード。

街歩きをしていると無断で撮影する人もいるとは思いますが、
通行している見知らぬ人を急に撮影することがないのと同じように、
コスプレイヤーであっても声掛けが必要であったり、撮影されたくない人がいたり、
ということを一般の人にも周知してくれるものです。
また、店内にコスプレ以外で覆面で入る人との区別をするためのものも
用意されています。

更衣室には持ってきた衣装がしわになってしまった際に使える
アイロンやヘアスプレー、制汗剤などが用意されています。

(私だけかもしれませんが、)
衣装やウィッグ、パーツなどもちこむものが多いコスプレイヤーは、
うっかりの忘れ物も多いもの……これはうれしい気遣いです。

まちの反応と参加者の声

毎回実施しているアンケート調査では、
「鴻巣市の魅力を知ることができた」「楽しかった」「次回も絶対参加する」など
好意的な声ばかり。参加者も年々増えているそうです。

実行委員会によると参加者の9割は鴻巣市街から、
全体の6割は県外からの参加だということで、
仮染街を通じて初めて鴻巣市に訪れる人も多いそうです。

秋の開催日は地域のお祭りに合わせて実施していることもあり、
地域の人との交流や小さい子から嬉しそうに声をかけられるなど、
街の人たちとの交流も生まれています。
中には当日市内に来ていた献血カーで献血するコスプレイヤーもいるなど、
社会貢献にも協力しています。

はじめは快く思っていなかった一部の市内の人も回を重ねるごとに協力的になり、
開店前に会場として店舗を貸し出してくれる飲食店なども出てきました。
運営側のノウハウも徐々に増え、どんどん良いイベントに進化しているそうです!
ことしは、営業開始前の飲食店が場所のみ提供してくれるという例もあり、
徐々に認知度も高まっているようでした。

(キャラクター同士の飲み会やアルバイトのシチュエーションでの撮影も楽しめそう)

次回開催について

ちなみにイベントの収益は、
人件費や実費を除き「教育環境整備基金」や「生活支援事業所 陽」など、
市や市内の施設へ寄付をしています。
その活動を評価され、市長もイベントに深い理解を示しています。

2019年10月の開催時は、前売り券は完売、参加者は合計695人。
大きなトラブルもなく、次回の準備もすでに始まっています。

次回は鴻巣に桜が咲き誇るころ、2020年4月5日に開催予定です。
去年の様子を見ても、撮影には絶好のシチュエーションということがわかります。

前売り券の売れ行きによっては当日に人数を制限する可能性もあるので、
参加したい!という方はお早めに~!!

(写真提供:仮染街@こうのす実行委員会)

 

※「仮染街@こうのす」は、開催延期が決定いたしました。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
http://www.cosplaycossan.com/karisomegai_07.html

 

 

アナウンサー紹介

現役局アナウンサー。埼玉県のニュースキャスターを務めながら自ら各地に取材にも赴き、特番やCM、情報番組内のナレーション、リアルイベントのMCなどを経験。また、インターネットサービスやITに興味津々。SNSは呼吸。視聴者と配信元をリアルタイムでつなぐ橋渡し役として双方向のweb生放送の進行も数多く経験。また、食べることが大好きで、特に白ごはんとかき氷、ラーメンをこよなく愛しています。