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よんなな プロジェクト

よんなな プロジェクト詳細

熊本県との県境に位置する鹿児島の出水麓(いずみふもと)武家屋敷群

目次

~薩摩の先人の想いが残る街並み~

鹿児島県北西部に位置する出水市。熊本県との県境に位置し、その昔は薩摩藩
と肥後藩の国境でした。国を防衛するために数多くの薩摩藩士が住んでいたこ
の場所に今も残る出水麓(いずみふもと)武家屋敷群の魅力とは・・・?

 

■出水麓(いずみふもと)とは
江戸時代、薩摩藩は『外城(とじょう)』と呼ばれる地方支配の拠点を設置し
ていました。この外城で警護などを担う武士の住居と陣地を兼ねた町は『麓(
ふもと)』と呼ばれ、肥後国(現在の熊本県)との境ということで、防衛上重
要な場所だったことから、薩摩藩の中では最初に築かれ、規模も最大だったと
いわれています。
今も数多くの武家屋敷が残っていて、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定
されています。見学ができる屋敷もあれば、現在も薩摩藩士の子孫が住んでい
る屋敷もあります。 

■出水麓の歴史を学ぶ!
出水麓武家屋敷群を詳しく知ることができる『出水麓歴史館』。こちらには出
水外城の組織やうつりかわりなどの説明があるほか、薩摩藩士が身に着けてい
た鎧や兜などの復元模型が展示されています。これがまた迫力満点!今にも動
き出しそうな薩摩藩士の人形模型は、国境を守るために日々神経を尖らせなが
ら生活をしていたんだろうなと想像できるほど、するどい眼差しが印象的でし
た。

■出水麓の地頭『山田昌厳(やまだしょうがん)』のおもしろ話
1629年(寛永6年)、地頭(じとう)として出水麓に赴任してきた山田昌
厳(やまだしょうがん)という役人がいました。地頭とは、薩摩藩主から任命
され、その地区に住みながら政治を行う役人で、その地区では最高の権力者。

その山田昌厳にまつわるユニークなエピソードがあります。
山田昌厳がやってきた時に地元の人たちが開いた歓迎会。出されたお吸い物を
昌厳があけると、なんとカエルが1匹入っていたのです。地元の人たちのいた
ずらだったのですが、なんと昌厳は何も言わずにそれを食べてしまいました。
驚く出水衆。
その後、歓迎会のお礼にと昌厳が宴会を開きました。すると出されたお吸い物
の中に・・・針が1本沈めてあったのです!
昌厳は「人は外見ではない。見た目が嫌なだけのカエルは食べることができる
が、針は飲み込むことができない。小さい針と同じで、人間も見た目だけでは
判断できない」ということを出水衆に伝えるために用意したということです。
これを機に出水の人々に慕われるようになった山田昌厳は、数々の産業振興に
力を注ぎ、出水の地頭としての任務を全うしたとても優れた政治家だったとい
うことです。

■江戸時代にタイムスリップ?
この出水麓歴史館では、武家屋敷群のさまざまな背景を知ることができますし
、すぐ近くには見学できる武家屋敷もあります。時間の都合上、武家屋敷の中
はゆっくり見学することができませんでしたが、屋敷の中は当時の薩摩藩士が
生活していた様子がそのまま残っているそうです。また、碁盤の目のようにき
れいに整備されている道や、両脇の石垣なども当時の面影が残っていて、まる
で江戸時代にタイムスリップしたような感覚になります。私は隣の熊本に住ん
でいますが、鹿児島という場所から見る熊本の歴史を知るのも面白いと思いま
した。


(参考文献)
◇出水麓歴史館:鹿児島県出水市麓町10番39号
電話 0996-68-1390

 

 

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アナウンサー紹介

エフエムやつしろパーソナリティ、サッカーJ3ロアッソ熊本スタジアムアナウンサー。40代ママパワーで元気を与えるアナを目指します。