トップ

よんなな プロジェクト

よんなな プロジェクト詳細

鹿児島県民が毎日チェックする‘桜島上空の風’~火山灰が降る県ならではの習慣~

目次

元NHK鹿児島放送局キャスターの山城優子です。
鹿児島県民ならではの習慣についてご紹介します。

火山の恵み

鹿児島のシンボルといえば桜島!
景観の美しさに加え、火山灰土壌ならではの農作物や温泉など、様々な恵みをもたらしてくれます。ただ、私にとってどうしても受け入れられないものが…。

「降灰」です。

日々活発な噴火活動を続けている桜島。
2011年には年間996回もの爆発的噴火を観測しました。

鹿児島県民にとって桜島の噴火は当たり前ですが、初めて生で見る人にとっては驚きの光景。もくもくと立ち上る噴煙を初めて見た時は、思わず声を上げて立ち止まり、写真を撮ってしばらく眺めていたのを覚えています。

しかし、ぼーっとしているとすぐに洗礼を受けることに。

風向きによっては火山灰が自分に降りかかってくるからです。
私も何度灰のシャワーを浴びたことか。時には灰と雨が同時に降ってくるダブルパンチを食らったこともあります。

そこで、大事なのが天気予報内の「桜島上空の風」の予想です。

何それ!?ですよね。

 

鹿児島ならではの予報

鹿児島の天気予報で最初に目にした時は見方も意味も分かりませんでした。

ところが、住んでみると、毎朝チェックせずにはいられないのです!

例えば、洗濯物を外に干す時は、噴煙が上がった場合、どの方角に流れていくか注意しなければなりません。

桜島上空の風は、8方位(代表する地名で示される)で予想されます。
ちなみに、夏は鹿児島市側、冬は大隅半島の方に灰が降ることが多いです。
少量ならまだしも、量が多くなると交通機関にも影響が出ます。

「ドカ灰」と呼ばれる大量の降灰に見舞われることが数年に一度あります。

傘をさしたり、マスクやハンカチで口を覆ったりして歩きますが、視界不良で車はライトをつけて徐行。
降り積もった灰により道路は白線が見えなくなってしまう。鉄道や飛行機がストップしてしまうことも。また、農作物の収穫ができなくなるなど生活面に大きく関わってきます。

それだけに、桜島上空の風向きをチェックするということは、鹿児島県民にとって毎日欠かすことのできない習慣となっているんです!

皆さんも、鹿児島を訪れる際はぜひチェックしてくださいね!

 

 

対処法

最後に、急な降灰時のプチアドバイスです。

天文館周辺にいる時はアーケードに避難すべし!
人気観光スポットの一つで、鹿児島最大の繁華街天文館には、縦横に絡む約2キロのアーケードがあります。噴煙が迫ってきたらアーケードに入り、買い物を楽しみながら灰宿りしましょう。

折りたたみ傘を持つべし!
降灰が多いと傘をさすこともあります。
鹿児島は日差しも強いので、晴雨兼用の折りたたみ傘がおすすめです。

 

 

アナウンサー紹介

元NHK鹿児島放送局キャスター。まち歩き、歴史好きが高じて鹿児島の観光ガイド「薩摩こんしぇるじゅ。」を務めたことも。特技のラッピングはコーディネーターの資格を持ち、どんなものでも高見えおしゃれに変身させちゃいます!得意の婚礼司会をはじめ、子どもプレゼン教室、コミュニケーション講座講師、イベントMCなど幅広く活動。誠を尽くして取り組みます!